オンプレミスとクラウドサービス、どっちが有利?

オンプレミスとクラウドサービス、どっちが有利?

2015.09.02

企業の多くのシステムが、かつてはオンプレミスで導入されてきましたが、昨今クラウドサービスが大きく活躍の場を広げ、今や「オンプレミスは時代遅れ」と言うような見解も見られる時代になりました。オンプレミスはクラウドサービスの登場により活躍の場を奪われてしまったのでしょうか。

オンプレミスとクラウドサービス

企業は様々な目的のために、たくさんのシステムを導入します。例えば、社員の情報を管理するための人事システム、事務的な業務処理を効率化させるためのワークフロー、あらゆる業務データを管理するERP、企業が抱えるリソースの効率化を図る仮想化。このような様々な技術やシステムが1つの企業の中に導入されていきます。

さて、これらのシステムの多くはかつてはオンプレミスで導入されてきました。しかし、昨今のIT技術の進歩は、企業が導入する多くのシステムをクラウドサービスで実現するものに変えていきました。オンプレミスからクラウドサービスへ変わっていった背景にはなにがあるのでしょうか。

企業がシステムを入れる理由

本来、企業が導入するシステムは様々ではありますが、概ね傾向は決まっています。企業が多くのシステムを導入する理由、それはコストや無駄のカット、そして業務の効率化、つまりTCOの削減が大きな目的です。

しかし、ここで考慮をしなくてはならないのは、企業がこぞって導入するシステムは大体似通った機能(ビジネスワークフローや、ERP、生産管理など)のものが多いですが、企業はそれぞれの経営形態や、ビジネススタイルがあるという事です。つまり、同じシステムを導入しても、成功する企業と失敗する企業があるのです。

オンプレミスの特徴

オンプレミスとは、企業が自社の管理下でシステムを導入し構築するシステムを指します。自社運用型とも言われ、企業それぞれが自らの性質やスタイルに合わせて一番フィットするシステムを構築することを目的の一つとしています。

自社の管理下に置いて、自由に設計、構築ができることもあり、移ろいゆくビジネススタイルにも柔軟に対応することも、他社にないような独自のビジネスモデルなどのも対応できることが強みとされます。

しかし、その自由度とは裏腹にコストが膨れる、と言う弱みも抱えます。

自社のシステムを自社で構築するということは、すなわち、その工程を自社が負担しなければならない、と言うことです。勿論、多くの企業はコンサルタント会社などと協力をしたり、外注したりして自社の負担を少しでも減らそうと努力しますが、勿論そこにかかるコストや、外注先やコンサルタントの選定は行わなければならないのです。

つまり、自由な自分たちだけのシステム、は、自分たちで運用、管理するシステム、ということです。

クラウドサービスの特徴

オンプレミスとよく比較されるクラウドサービスは、サービス会社がシステムを構築、管理を行い、顧客がそのサービス(機能)を契約の元、利用するシステムを指します。自社でシステムを構築する必要も、サーバを保有する必要もない為、維持費や管理コストを抑えることを目的の一つとしています。

自社の管理下にシステムを置かず、既に構築されたシステム、サービス(機能)を利用するだけで良いため、利用する機能の選定や設定が容易である事、導入期間の削減が可能であることが強みとされます。

しかし、その簡易さとは裏腹に、自由度が損なわれやすい、と言う弱みを抱えます。

サービス会社が既に構築しているシステムのサービス(機能)を利用するわけですから、サービス会社側の実装仕様に基づいた利用が前提になり、また、メンテナンスやアップデートについても、サービス会社側のスケジュール次第、というのがほとんどです。

今ではプライベートクラウドという、比較的企業の運用スタイルに合わせたサービス運用を行う契約スタイルも多く用いられ始めてはいます。しかし、それでも、個々の会社の要求を実装することや、運用スタイルに完全に合わせていくことは、まだまだ課題山積のところでもあります。

どちらが有利?

オンプレミスとクラウドサービス。この二つのシステム導入について、どちらが有利でどちらがより賢い選択なのでしょうか。

答えは、「企業による」なのです。
結局のところ、オンプレミスには企業の独自のビジネススタイルにフィットしていけるだけの柔軟性があるので、より企業の効率化を考えるのであれば一番良い形です。しかし、それには多くコストと技術を割かねばなりません。
費用対効果を考え、無駄なシステムや無駄な機能を排除し、できる限りのコストを抑えつつも、社内のシステム化、効率化を進めるのであればクラウドサービスは良い選択です。

つまり、どちらが有利だとか、不利だという話ではないのです。

オンプレミスからクラウドへ

先にも述べたように、オンプレミスとクラウドには強みと弱みがあります。これをしっかり理解し、企業は導入するシステムを選ぶことが求められます。

そんな中、多くの企業は既に導入されたオンプレミスのシステムをクラウドへ移行する動きを見せました。これは、どういう事なのでしょうか。

答えは簡単です。費用対効果を考えた結果なのです。
ひと世代前のシステムと言えば、オンプレミスが主流でした。企業はこぞってシステムを導入したのです。しかし、先にも述べたように、オンプレミスのシステムは自社で構築からメンテナンスまで行う必要がある為、ランニングコストがかかるのです。そして、ビジネスの変化、これにも対応を迫られます。企業はこれらの対応をすべく、人とコストを割くわけです。

それに対し、運用管理を外部に持つクラウドサービスであれば、多少のメンテナンスに対する自由度は限られても、自社で全てを賄う必要はなく、そこにかかるコストは大きく削減されます。多くの企業は、そのコストの削減を選んだのです。

オンプレミスとクラウドの共存へ

現在、クラウドサービスの注目は大きく、これからも大きな市場を形成するでしょう。しかし、これはなにもオンプレミスが必要ないということではありません。

オンプレミスには自由度が、クラウドサービスには簡易さがあるのです。つまり、企業は導入するシステムや機能に合わせて、オンプレミスとクラウドサービスを併用するという選択肢があるわけです。

例えば、生産を行う業者の場合、生産工程や生産に至るまでの過程、これは企業の経営戦略やスタイルに合わせて独自のフローがあるかもしれません。しかし、そこで働く人たちの勤怠の管理については、他の企業とほぼ変わらない方法かもしれません。
この場合、生産管理のシステムをオンプレミスで導入し、勤怠のシステムについてはクラウドサービスで導入する、この様な運用もあるわけです。

昨今では、クラウドサービスもより企業に即した形、より汎用的にスムーズに導入した形と様々な形態が提供されるようになってきていますが、適材適所、共存共栄へと進んでいくでしょう。

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