これだけは押さえたい!制度会計と管理会計ってなに?

これだけは押さえたい!制度会計と管理会計ってなに?

2015.10.21

ERPを扱うにあたって、知っておいた方がいい会計の話。一口に会計と言っても、指し示しているものは一つではありません。大きく制度会計と管理会計の二つに分けられます。今回は、それぞれの会計についてご紹介していきます。

1.会計

会計は、大まかに制度会計と管理会計に分けられます。また制度会計とはさらに、財務会計と税務会計に分けられます。それぞれをご紹介していきます。

まず財務会計とは、株主・投資家等の企業外部の利害関係者に対する会計情報の提供を目的とした会計の事を言います。簡単に言うと、会計基準等に従って財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等)を出力する事が財務会計の目的です。

そして税務会計とは、税法の規定に基づき税額計算を行う事を目的とした会計の事を言います。税法は、国や自治体の財源確保、景気活性化などの目的が反映される政策的な制度になっています。

このように制度会計とは、文字通り、何らかの制度に従って決算を行うための会計の事を言います。財務会計では株主や投資家に経営状況を開示し、税務会計では税額計算を行います。

では、会社自身の経営のため、マネジメントのためには何を見れば良いのでしょうか。そのニーズに応えてくれるのが、管理会計です。管理会計とは、企業内部における意思決定や経営改善を行う事が目的の会計です。

制度会計に関して、経営者によっては、レポート上で利益を多く見せようとする企業もありますし、逆に利益を少なく見せようとする企業もあります。どうしてそういった違いがあるのでしょう。

上場企業の場合は、当期純利益が少なく、株主への配当が少なければ、株主によって責任を問われます。そのため、上場企業の場合は、できる限り当期純利益を増やそうとします。しかし、上場していない企業の場合、配当ができないくらい当期純利益が少なくても特に責任を問われることはありません。それよりは、税額を少なくする事のほうに関心がありますので、非上場の企業ですと、利益を少なく計上しようとします。株主への配当か、または節税か、という目的によって金額の見せ方が変わるのです。

2.財務会計と管理会計の比較

それぞれのまとめを兼ねて、ここでは財務会計と管理会計を比較していきます。「情報開示の対象者」「目的」「対象」「法」という4つの側面から確認していきましょう。
まずは「情報開示の対象者」についてです。財務会計の対象者は、株主・投資家等の外部利害関係者です。管理会計の対象者は、会社内部の経営層です。会社内部の経営層というと、位の高い人、エライ人、と思いがちですが、そういった人たちだけではありません。数字を見て、意思決定をすることがある全ての人を指しています。
次に、それぞれの会計における「目的」と「対象」についてです。

財務会計は、財務諸表を出力する事が目的です。過去の会計取引を記録し、集計し、株主等に情報開示する必要があります。という事は、否応なく財務会計の対象は「過去」になります。

管理会計では、これからの意思決定のために活用する事になります。つまり、管理会計の場合は「未来」が対象となります。

最後に、「法」の側面から見てみます。財務会計は、先ほどご紹介したように、制度会計と呼ばれるだけあり、制度に従って決算を行うものです。たとえば、会社法、金融商品取引法、税法など、法制度に従って会計処理を行っていきます。

一方の管理会計に関しては、規制している法律は何もありません。管理会計の場合は、あくまでその会社がどのように経営したいかにというものなので自由に決める事ができます。どういった手法を使うのか、どういったインプットをするのか、どういったアウトプットをするのか、これらは全て自由です。つまり、会社の数だけ管理会計があると言っても過言ではありません。

3.管理会計の手法

管理会計は、何らかの意思決定を行うために、会計結果を収集し、分析・活用していくものです。分析のための指標は、必要に応じて企業側が管理する事になるので、特に法律によって規制されるものではありません。あくまで経営者が判断をするために用いているものなので、外部に出す義務もありません。分析手法や、アウトプット、または分析期間(月次の場合も日次の場合もあります。)など全てがその企業次第です。

ただ、管理会計にはどういった手法があるのか、適当なものを列挙すると以下の通りです。

  • 原価計算(製品別、部門別など)
  • キャッシュフロー分析
  • 収益性分析
  • 損益分岐点分析
  • 予算管理

各手法の具体的な説明については次回以降のコラムでご紹介していきますが、このように管理会計では経営、マネジメントを様々な切り口から見ていく事になります。管理会計の目的はあくまで意思決定をする事ですので、意思決定をするため上記のような手法を用いて分析を行っていくのです。

4.まとめ

以下、本コラムの簡単なまとめです。

  • 会計は大きく制度会計と管理会計に分けられます。
  • 制度会計はさらに財務会計と税務会計に分かれます。
  • 財務会計は、財務諸表を株主等に開示するための会計であり、税務会計は税額計算のための会計です。
  • 自社の経営、マネジメントのために管理会計を使います。
  • 管理会計には様々な手法がありますが、管理会計の目的は意思決定をする事にありますので、そのために様々な手法を用いていきます。
  • 管理会計は、その会社がどのような経営をしたいのかに拠るので、会社の数だけ管理会計があると言えます。

いかがでしたでしょうか。ビジネス上切っても切れない、会計の知識について少しでも皆さんの理解の助けになれば幸いです。

記事は、予告なく変更または削除される場合があります。
記載された情報は、執筆・公開された時点のものであり、予告なく変更されている場合があります。
また、社名、製品名、サービス名などは、各社の商標または登録商標の場合があります。