自宅PCに VMware vSphere 検証環境を作ろう!

自宅PCに VMware vSphere 検証環境を作ろう!

2015.12.09

仮想化の技術をこれから勉強される方の中には、「VMware vSphere の検証をしたい!」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、本番環境に変更を加えるわけにはいかなかったり、Web 上で公開されている Hands-On 環境では、インストール部分から確認する事ができなかったり、様々な理由で検証できないことが多いかと思います。そこで今回は、「自宅PCに VMware vSphere 検証環境作ろう!」テーマにご紹介していきたいと思います。

はじめに

恐らく多くのインフラ担当SEの方は、「サーバの仮想化」という用語を一度は聞いたことがあるかと思います。最近では仮想化技術の普及により、以前より一般的な概念になりつつあるかと思います。しかしながら、理解はしていても実機を触ったことがない方や、本番環境に変更を加えることができない等の理由で検証ができない方もいらっしゃるかと思います。

私自身も、仮想化技術を学びたての頃は、実際に環境に触れる機会が少なく、自由に検証できる環境が無かった為、概念を理解する事に苦労しました。ですが実際に自宅PCに検証環境を作ることで、インストール工程から自身で検証する事ができた為、結果、実体験として知識を定着する事ができました。今回ご紹介する内容も私の記憶と経験からの内容となります。

既存自宅PCを維持しつつ検証環境をつくるには?

さて、今回ご紹介するのは、VMware vSphere の検証環境の作り方ですが、物理マシンの台数に限りのある自宅環境において、ESXi を物理マシンに直接インストールする事はあまり現実的ではありません。

そこで、まずは前回のコラムでご紹介した VMware Workstation をご自宅のPCにインストールして頂いてから、その上でESXiを仮想マシンとして構成します。このようにすれば、既存の自宅PC環境を潰さずに、複数台のESXiの連携機能の検証も行えるため一石二鳥の構成になります。こういった仮想環境の中でさらに仮想化を行う構成を「Nest(ed)」ネストまたは、ネスティッド構成(環境)と呼びます。

ネスト検証環境に求められるスペック

次に、これらの土台となる物理マシンのスペックについてご紹介していきます。スペックは高いに越したことはないのですが、今回はESXiを2台構成する際に最低限必要なマシンスペックについてご紹介したいと思います。

CPU : x64プロセッサ 2.0GHz 2 Core / Intel VT or AMD V 要サポート
RAM : 8 GB (ESXi5.1以前の場合)
Disk : 200GB
Network : 要件無し

特に注意が必要なのが CPU と RAM です。

まず、CPUですが、Intel VT または AMD V をサポートしているかをご確認ください。これらの機能をサポートしていない場合、64bitの仮想マシンを稼動させることができません。

次に、RAMですが、仮想マシンとして動かす ESXi の Version にご注意ください。ESXi 5.1以前の場合、各ESXiに最低限必要なRAMは2GBですが、ESXi5.5以降は4GBのRAMがそれぞれのESXiに最低限必要になります。さらに、ESXi以外に関しても、RAMを使用しているのでさらにRAMが必要になります。例えばWindowsですが、私が検証していた環境はWindows 7で大体2GBほど使用していました。ですから、(ESXi×2台 = 4GB) + 2GB = 6GB必要になります。さらに、Workstation や Web Client 等を加えると、最低でも8GBは必要になる計算です。

Disk に関しては、各仮想マシンの仮想ディスクのサイズを切り詰めれば、200GBほどあればよいかと思います。また、Network は外部と通信させないのであれば、特に要件はありません。仮想マシンからインターネットや、外部 Server と通信させたい場合には、Workstation のネットワークの設定を行うことによって簡単に接続する事ができます。

検証環境必要コンポーネント

次に、vSphere 検証環境に必要な各種コンポーネントですが、以下のようになります。

・VMware Workstation 評価期間 : 30日間
・VMware ESXi ×2 評価期間 : 60日間
・vCenter Server 評価期間 : 60日間
・Windows Server 評価期間 : 60日間
・Cent OS 無償

構成イメージは以下のようになります。

上記図に表したように、Windows にインストールした Workstation 内に、2台の ESXi を仮想マシンとして構成しています。ESXi を単体で利用するよりも複数で利用した方が、様々な場面で連携することができるので、通常複数台の ESXi で構成するのが一般的です。例えば、通常物理マシンの電源オフを伴うメンテナンスを行う場合、アプリケーションは停止してしまいますが、サーバを仮想化していれば、仮想マシンを別のESXi に移動(vMotion)することができるので、メンテナンスによるアプリケーション停止を防ぐことができます。

他にも、物理マシンにハードウェア障害が発生した場合、復旧には時間が掛かってしまいますが、仮想マシンであれば、障害が発生していない別の ESXi で仮想マシンを起動する(vSphere HA)ことができ、迅速に復旧もでき、自動化も可能です。これらの優れた機能を使用する為にはいくつかの条件があります。その一つが、「仮想マシンのデータをストレージに保存する」ということです。可用性の事を考慮し、ESXi の外部のストレージに仮想マシンのデータを保存する事が望ましいです。ただし、自宅PC環境では、メモリ等のリソースが潤沢ではない場合が多いので、今回の例では、ESXi 内にまとめています。(この構成だと仮想マシンの可用性はありません)

また、通常のストレージは専用OSを使用することがほとんどで、ハードウェアとセットになっている場合が多いのですが、それを自宅にというのは少し無理があるので、今回は誰でも無料で入手可能な「Cent OS」の NFS を利用し、仮想マシンのデータを保存するストレージとしています。

仮想環境の統合管理ソリューションとして、「vCenter Server」を仮想マシンとして ESXi 内に構成しています。vCenter Server を用いることで、複数の ESXi をまとめて管理したり、ESXi 間で連携させたりすることが可能です。

また、ユーザ / グループ 管理をする為に、Active Directory (AD) を稼動させるための、 Windows Server も仮想マシンとして構成しています。仮想マシンを利用したり、管理したりするユーザが多い環境の場合、ユーザの管理に友好的なディレクトリサービス (今回はAD)を利用することが多いです。

最後の構成要素は、「Web Client」です。Web Client は仮想マシンや、ESXi を構成管理する為の Web Service です。Web Client は vCenter Server を導入する際に必ずインストールします。Web Client はInternet Explorer / Firefox / Chrome といったメジャーなブラウザでサポートしているので、ほとんどのOSで使用することができます。vCenter Server にアクセス可能であれば利用可能なので、仮想マシンからでも、物理マシンからでも Web Client を利用することが可能です。

おわりに

今回は【自宅PCに VMware vSphere 検証環境を作ろう!】をテーマにご紹介させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?

最近では、データセンター内でもサーバの仮想化が用いられ、様々な有用な機能が実装されています。なかなか本番環境で検証する事は難しいと思いますので、是非自宅で検証環境を作って色々検証してみましょう!

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