これだけは押さえたい!原価計算ってなに?

これだけは押さえたい!原価計算ってなに?

2016.01.13

ERPを扱うにあたって、知っておいた方がいい会計の話。 今回は、管理会計の手法である原価計算についてご紹介していきます。

前回の復習(制度会計と管理会計)

今回は管理会計について紹介していきますが、その前に前回ご紹介した制度会計と管理会計の違いについて簡単に振り返ってみましょう。(前回の記事はこちらから )

制度会計

まずは制度会計から。
会計は、大まかに制度会計と管理会計に分けられますが、またさらに制度会計は、財務会計と税務会計に分けられます。
財務会計というのは、株主等の利害関係者に対して会計情報を提供する会計の事を言います。会計基準等に従って財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等)を出力する事が目的です。

税務会計は、税法(国や自治体の財源確保、景気活性化などの目的が反映される政策的な制度になっている)の規定に基づいて税額計算を行う事が目的である会計です。

このように制度会計とは、何らかの制度に従って決算をおこなうための会計の事を言います。財務会計では会計基準等に従って株主に経営状況を開示し、税務会計では税法に従って税額計算を行います。
制度に従って会社の状況をみるのではなく、会社自身の経営のために、マネジメントを行う事を目的にしている会計が管理会計でした。 また、前回は財務会計と管理会計を「情報開示の対象者」、「目的」、「対象」、「法」という4つの側面から比較しました。

財務会計における「情報開示の対象者」は、株主・投資家等の外部利害関係者です。管理会計の対象者は、会社内部の経営層です。経営層とはいっても、数字を見て意思決定をする全ての人の事を指しています。
次に、財務会計の「目的」は財務諸表を出力する事であり、財務諸表を出力するということは、過去の会計取引を記録し集計する必要があります。つまり財務会計の「対象」は過去です。

管理会計

管理会計の「目的」は、意思決定に活用する事です。つまり管理会計の「対象」は未来です。 最後に「法」に関して、財務会計は、制度会計というだけあり、制度に従って会計処理を行う必要があるのに対し、管理会計の場合は、規制している法律はなく、会社がどのように経営したいかによってどう処理するのかを自由に決める事ができました。

原価計算

それではここからは、管理会計についてをご紹介していきます。
管理会計における分析の一つの手法として原価計算があります。 原価計算とは文字通り、製品を製造するのにかかった原価を計算することです。 この原価計算に関してですが、1962年に当時の大蔵省によって、原価計算を実践するうえでの規範が、「原価計算基準」として公表されました。 これによると、「原価管理とは、原価の標準を設定してこれを指示し、原価の実際の発生額を計算記録し、これを標準と比較して、その差異の原因を分析し、これに関する資料を経営管理者に報告し、原価能率を増進する措置を講ずることをいう。」と書かれています。

原価が実際に発生する前に、ある製品を作るのにいくらかかるのかというのを見積もります。その見積もった単価で製品の原価を計算します。その金額の事を標準原価と言います。 また原価の発生した後には、実際にかかった原価も計算します。これを実際原価と言います。 この標準原価と実際原価を計算し、二つの差異を分析する事を「原価計算基準」の中では、原価管理と呼んでいるのです。

標準原価と実際原価の比較

では、標準原価と実際原価についてを詳しく見ていきましょう。

まず標準原価は、その製品を一つ作るのにいくらかかるのかを見積もっておき、その見積もった単価(標準原価といいます。)を使って製品の原価を計算します。 標準原価は、標準材料費、標準労務費、標準製造間接費から構成されています。
それぞれの計算方法は以下の通りです。

  • 標準材料費=標準価額×標準消費数量
  • 標準労務費=標準賃率×標準作業時間
  • 標準製造間接費=標準配賦率×標準操業度

こういった式を用いて、標準材料費、標準労務費、標準製造間接費を計算します。
しかし、ここから導き出される標準原価は、あくまで見積もりに過ぎません。 その後は、実際に発生した原価(=実際原価)を計算し、上の式で出した標準原価と比較、分析していきます。

例えば、材料費において価格に差異があったのであれば価格設定が不正確であっただとか、市場価格の変動があったのかなどと分析が出来ます。 また、労務費における標準作業時間と実際作業時間の間にずれがあるのであれば、労働者の生産性に問題があるのではないかとも考えられます。 このように、標準原価と実際原価の差異を比較し、どこに問題があるのか等分析を行います。それをもとに改善案を作成していくことになります。

まとめ

今回は、管理会計における原価計算についてご紹介していきました。
以下、簡単なまとめです。

  • 原価計算では、原価発生前に見積もった標準原価と、実際にかかった実際原価を比較、分析を行う。
  • 標準原価は、標準材料費、標準労務費、標準製造間接費に分けられる。
  • 標準原価、実際原価における直接材料費、直接労務費、製造間接費、それぞれを比較、分析を行い、改善案を作成していく。

いかがでしたでしょうか。今回は管理会計の手法である原価計算についてご紹介しました。次回のコラムもお楽しみに。

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