VMware の仮想マシンを​ AWS に移行しよう!<br>~ AWS 基本編 ~

VMware の仮想マシンを​ AWS に移行しよう!
~ AWS 基本編 ~

2016.01.20

現在、企業がクラウドサービスの採用を第一に検討するクラウドファーストの時代になりました。しかし、オンプレミス環境で運用してきたサーバーについては、クラウドへどのように移行したらいいのでしょうか。その方法について、全3回の連載で紹介していきます。

はじめに

クラウドサービスでどれだけ簡単に新規でサーバーを入手できるのか、「検証!AWS はいったい何分で展開できるのか?」のコラムにて紹介させていただきました。そして、本コラムでは、オンプレミスにある既存のサーバーをクラウドに移行する方法について紹介させていただきます。

移行元は VMware vSphere の仮想マシンを使用し、移行先は AWS のクラウドサービスを使用して、全3回の連載で進めていきます。

第1回「VMware の仮想マシンを​ AWS に移行しよう! ~ AWS 基本編 ~」
— 移行前に AWS サービスの基本を理解していきます。

第2回「VMware の仮想マシンを AWS に移行しよう! ~ VM Import/Export (CLI) 編 ~」
— コマンドによる移行方法を紹介します。

第3回「VMware の仮想マシンを AWS に移行しよう! ~ AWS Management Portal (GUI) 編~」
— GUI による移行方法を紹介します。

AWS に移行するために知っておくべきサービス

AWS に移行するに当たり、事前に AWS のサービスを理解しておく必要があります。そのため、第 1回目のコラムでは、AWS の基本サービスについて紹介していきます。

オンプレミスの仮想マシンを AWS に移行している図

 

リージョンとアベイラビリティーゾーン

AWS のクラウドサービスは、世界各地にある AWS のデータセンターによってサービスが提供されています。先ず、リージョンと呼ばれる、AWS がサービスを提供する拠点 (国、地域) があります。そして、そのリージョン内に、地震などの災害を考慮した形で、ネットワークや電源等の物理的なインフラが完全に独立したデータセンターが設置されています。

このデータセンターを、アベイラビリティーゾーン (以下、AZ) と言います。尚、リージョンによっては、まだ提供が開始されていないサービスもあるため、利用時には注意が必要です。

リージョンと AZ の選択時のポイントは、システムを利用するユーザにできるだけ近いリージョンを選択することと、可用性と耐障害性の面から複数の AZ を使用してシステムを構築することです。

詳細については、AWS のページにて説明されています。
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/global-infrastructure/

リージョンと AZ の図

Amazon Virtual Private Cloud (VPC)

Amazon Virtual Private Cloud (以下、VPC) は、プライベートネットワークを構築できるサービスです。完全にインターネットと隔離したネットワークの構築や、インターネット接続やオンプレミス環境へ VPN 接続するためのインタフェースなども備えています。構成要素としては、サブネットやルートテーブル、ファイアウォールなどからネットワークをカスタマイズすることができます。デフォルトで VPC が用意されていますので、それをそのまま利用することもできます。

AWS 上で稼働するサーバーは、VPC ネットワークに接続して稼働するかたちとなります。

詳細については、AWS のドキュメントページにて説明されています。
http://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonVPC/latest/UserGuide/VPC_Introduction.html

Default VPC の図

Amazon Elastic Compute Cloud (EC2)

Amazon Elastic Compute Cloud (以下、EC2) は、クラウド上で仮想サーバーを利用できるサービスです。VMware vSphere 上の仮想マシンは、AWS サービスでは、EC2 インスタンスに該当します。(AWS では、サーバーの単位をインスタンスと呼びます。) インスタンスは、OS の種類や、インスタンスタイプ、ストレージタイプを選択することができます。

OS の種類

以下のような OS を選択できます。

  • RedHat Enterprise Linux
  • SUSE Linux Enterprise Server
  • Ubuntu
  • Fedora
  • Debian
  • CentOS
  • Gentoo Linux
  • Oracle Linux
  • FreeBSD
  • Windows Server

インスタンスタイプ

インスタンスタイプは、CPU、メモリ、内蔵ディスク、ネットワークキャパシティなどの構成要素が事前に定義されたパターンです。汎用的な利用を想定した T2, M4 , M3 や、CPU 性能を高くした C4, C3、GPU を搭載した G2、メモリを最適化した R3 などがあります。

さらに、nano や small, medium, large, xlarge などの性能を選択することができます。

インスタンスストレージタイプ

「Instance Store-Backed インスタンス」と、「EBS-Backed インスタンス」が選べます。Instance Store-Backed インスタンスでは、EC2 インスタンスを停止すると、ストレージ上のデータは削除されてしまいます。

しかしながら、EC2 インスタンスが稼働する物理サーバーのローカルディスクを利用するため、安定した I/O を提供することができます。EBS-Backed インスタンスは、外付けのストレージを利用する形態となります。こちらは、EC2 インスタンスを停止しても、ストレージ内のデータは保持されます。

詳細については、AWS のページにて説明されています。
https://aws.amazon.com/jp/ec2/details/

Amazon Elastic Block Store (EBS)

Amazon Elastic Block Store (以下、EBS) は、EC2 向けの外付けブロックストレージを提供します。EBS にはボリュームタイプの選択肢があり、「汎用(SSD)」、「プロビジョンド IOPS(SSD)」、「マグネティック」の 3種類があります。これら 3種類のボリュームは、それぞれパフォーマンス特性と価格の点で異なります。

EBS のどのボリュームも、耐久性に優れた同じスナップショット機能を提供し、99.999% の可用性を維持する設計となっています。

詳細については、AWS のページにて説明されています。
https://aws.amazon.com/jp/ebs/details/

Amazon Simple Storage Service (S3)

Amazon Simple Storage Service (以下、S3) は、99.999999999% の耐久性を持つよう設計されています。また、さまざまなストレージクラスが提供されており、頻繁にアクセスするデータの汎用ストレージのための「Amazon S3 標準」、長期間使用するが頻繁にアクセスしないデータのための「Amazon S3 標準 – 低頻度アクセス(標準 – IA)」、長期アーカイブのための「Amazon Glacier」があります。

S3 の利用は、REST, SOAP といった Web インタフェースでおこなわれます。S3 には、データを無制限に保存することが可能で、リージョンにバケットというコンテナを作成して、そこにオブジェクトとしてデータを保存します。ファイルサーバーのような感覚で単純なデータ保存領域とすることもできますし、Web サイトとしてホスティングする環境として利用することもできます。

詳細については、AWS のページにて説明されています。
https://aws.amazon.com/jp/s3/details/

AWS の料金体系

基本的には従量課金となります。AWS では、「時間ベース」、「容量ベース」、「回数ベース」の従量課金モデルがあり、サービスによって異なります。詳細については、下記のページを参考にしてください。
https://aws.amazon.com/jp/how-to-understand-pricing/

AWS では、簡易見積ツールを提供していますので、こちらを利用して利用料金を簡単に見積もることも可能です。

簡易見積ツール
https://aws.amazon.com/jp/how-to-understand-pricing/

おわりに

いかがでしたでしょうか。簡単に概要の説明となりましたが、クラウドに移行させる前には、最低限知っておくべき内容となります。

次回は、
第 2回「VMware の仮想マシンを AWS に移行しよう! ~ VM Import/Export (CLI) 編 ~」
— コマンドによる移行方法を紹介します。

となります。実践的な内容となりますので、楽しみにしていてください!

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