仮想化技術の基本3 クライアントコンピュータの仮想化

仮想化技術の基本3 クライアントコンピュータの仮想化

仮想化技術の基本の第3弾、今回は「クライアントコンピュータの仮想化」について紹介します!

前々回の「仮想化技術の基本1 サーバの仮想化」 では、サーバ仮想化の概要と、サーバ仮想化を使うことのメリットについて紹介させていただきました。また、前回の「仮想化技術の基本2 ストレージの仮想化」 では、ストレージの仮想化の概要と、ストレージ仮想化を使うことのメリットについて紹介させていただきました。
今回は、ユーザが利用する クライアントコンピュータの仮想化 について紹介します。

クライアントの仮想化とは

クライアントコンピュータは、ユーザが業務などに使用する端末のことで、Windows などの OS と、OS の上で動く アプリケーション で構成されています。クライアントコンピュータの仮想化で対象となるのは、Windows などのOS と、OS の上で動くアプリケーションになり、下記の 2 つの分類があります。

  1. OS & アプリケーションを仮想化する
  2. アプリケーションを仮想化する

1のことを「デスクトップの仮想化」と呼び、2のことを「アプリケーションの仮想化」と呼びます。

また、仮想化の対象となる OS やアプリケーションをどこで動作させるかにより、さらに分類することができます。

(1) ホステッド・デスクトップ仮想化

ホステッド・デスクトップ仮想化では、OS とアプリケーションが仮想化 されています。
仮想化されている OS やアプリケーションは、サーバ上で動作しています。クライアント側で使用する端末は、キーボード、マウス、画面情報のみの構成となっており シンクライアント と呼ばれます。サーバ上で動作している仮想マシンの数だけクライアントを割り振ることができます。

ホステッド・デスクトップ仮想化のメリットは、クライアントコンピュータの実態が仮想マシンとしてサーバに集中しているため、管理作業が効率的に行える という点があります。
また、クライアント側にはハードディスクがない構成ですので、サーバ側にある重要なデータの漏えいを防ぐことができるというメリットもあります。

現在、デスクトップの仮想化で主流となっているのはホステッド・デスクトップ仮想化であり、代表的な製品としては、VMware Horizon という製品があります。

(2) ホステッド・アプリケーション仮想化

ホステッド・アプリケーション仮想化では、サーバ上で稼働している アプリケーションのみを仮想化 します。アプリケーションを利用するクライアント毎に仮想環境を作成し、クライアント毎に仮想化されたアプリケーションを提供します。

ホステッド・デスクトップ仮想化と似ていますが、ホステッド・アプリケーション仮想化で提供されるのは、アプリケーションの情報のみです。ホステッド・デスクトップ仮想化と同じように、ハードディスクはサーバ側のみにあるので、セキュリティは高く保たれます。
また、アプリケーションの実態はサーバ側にあるので、アプリケーションのバージョンアップなどの管理作業も効率的に行うことが可能です。

ホステッド・アプリケーション仮想化を実現するための製品としては、Citrix XenApp などがあります。

(3) ローカル・デスクトップ仮想化

ローカル・デスクトップ仮想化では、クライアントコンピュータ上に 仮想マシン を作成し、ホスト OS ( Windows や Linux、Mac OS など) とは異なる仮想 OS を動作 させることができます。

例えば、Windows 7 上に、仮想マシンを作成し、仮想 OS として Linux を動作させることができ、Windows 7 上で Linux の学習をすることも可能となります。
「仮想化技術の基本~その1~」 で紹介したサーバの仮想化と似ていますが、ローカル・デスクトップ仮想化では、クライアントコンピュータのホスト OS 上に仮想マシンを作成するため、ホスト OS 上の他のアプリケーションとリソース競合がおこりますので、サーバ仮想化に比べパフォーマンスは劣ります。

ローカル・デスクトップ仮想化を実現するための製品としては、VMware Workstation Player や、Oracle VirtualBox などがあります。

(4) ローカル・アプリケーション仮想化

ローカル・アプリケーション仮想化では、仮想化されたアプリケーションをクライアントコンピュータ上で実行 します。仮想化されたアプリケーションは、クライアントコンピュータ上で動作している OS とは関係なく動かすことができます。

例えば、Mac OS で開発したアプリケーションを仮想化すれば Windows OS 上で動かすこともできるということです。ローカル・アプリケーション仮想化を実現するための製品としては、VMware Thinapp などがあります。

これまでは、ユーザ一人一人にノートパソコンやデスクトップを用意することが普通でしたが、上記のようにホステッド方式のクライアントコンピュータの仮想化を利用することで、ユーザ一人一人にノートパソコンやデスクトップを用意する必要がなくなり、コスト削減 にもつながります。
サーバの仮想化、ストレージの仮想化とともに、クライアントコンピュータの仮想化技術も今後注目される技術になりますので、ぜひ注目してみてください。

次回以降は、サーバの仮想化やクライアントコンピュータの仮想化について、少し深堀りをし、それぞれの仮想化技術のアーキテクチャの紹介をいたしますので、お楽しみに!

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