経営分析をしてみよう! ~その1 経営分析の概要~

経営分析をしてみよう! ~その1 経営分析の概要~

みなさんの会社は倒産の兆候はでていませんか?損益計算書の利益がプラスであれば黒字です。でも、資金繰りが困難になれば会社は倒産してしまう事があります。これを黒字倒産といいます。このように、倒産のリスクは損益計算書をみただけではわかりません。そこで、一歩すすめて経営分析をしてみましょう!

経営分析とは何を分析するのでしょうか?

今回から数回にわたり 経営分析 についてご紹介していきます。
では、経営分析とは具体的に何を分析するのでしょうか?

定量分析と定性分析

経営分析は、大きく分けると、定量分析 と 定性分析 に分けられます。

  • 定量分析
    定量分析とは、将来見込まれる業績を算定するために証券アナリストが行う、企業の財務データに焦点をあてた分析 のこと。(証券投資用語辞典より引用)
  • 定性分析
    定性分析とは、将来の業績に影響を与える可能性のある 無形の要因を査定する際に証券アナリストが用いる分析方法 のこと。(証券投資用語辞典より引用)

簡単な表現にすれば、定量分析 は企業の決算書の数字を分析しますので、財務分析 とも呼ばれます。

経営分析で分析する内容

経営分析では、主に以下の4つを分析します。

  1. 成長性分析
  2. 収益性分析
  3. 生産性分析
  4. 安全性分析

定性分析 は、決算書などからはわからない以下のような情報を分析します。

  • 会社の経営陣の人格や人脈
  • 事業や主力商品の情報
  • 会社の沿革や・社風      など

銀行が会社を格付けする場合、「定量分析による評価が70%、定性分析による評価が30%」 といわれています。このように、定量分析と定性分析の両方を分析するのが理想的 です。ただし、一般的に経営分析といった場合は定量分析(=財務分析)と同じ意味で使用されることが多いです。

そこで、このコラムも財務分析についてご紹介していきます。

経営分析は誰がするのでしょうか?

さきほど定量分析と定性分析の説明で「証券アナリストが」と書きましたが、これは「証券投資用語辞典」より引用したためです。証券アナリストだけが経営分析をしているわけではありません。 誰に役立つ情報を提供するかで分類すると、「内部分析」と「外部分析」に分けること ができます。

内部分析

経営分析はよく企業の健康診断にたとえられます。たとえ 利益がでていても、資金繰りが困難となれば企業は倒産 してしまいます。これを 黒字倒産 といいます。そこで、企業の 経営者の立場 から「財務分析」 をし、「企業の経営の問題点」を把握し、「問題点を対処していく」 ために経営分析を行います。

外部分析

外部の利害関係者 が役立つ情報を得るために行う分析です。たとえば、
・取引先の経営成績や財政状態を把握し、与信管理等に役立てる
・企業へ資金を融資する金融機関が、融資しても将来回収できるかの判断に役立てる
・企業の株式を購入する投資家などが、その企業の投資価値を調べるのに役立てる

倒産はなぜ起きるのでしょうか?

会社はなぜ 倒産 するのでしょうか。

「会社が赤字だから」と答える人が多いと思いますが、ここ数年赤字が続いている企業でも倒産していない企業は存在します。逆に、利益がでているのに倒産する企業も存在します。倒産するかどうかは、実は 手元にお金が残っているかどうか で決まるのです。

法人の取引で行われる「信用取引」

法人と法人の契約の場合、取引の都度お金を精算することはまずありません。信用取引 を行います。

信用取引とは、たとえば、「毎月1日から月末までに販売した売上の代金は翌月末に入金される」というように、後日まとめて精算する取引 をさします。

仮に、1日に得意先に販売すれば、翌月末に入金されるので60日後になります。月末に得意先に販売すれば、入金されるのは30日後になります。平均すれば得意先から入金されるのは、45日後となります。このように、売上が計上されてからすぐにお金が入るのではなく、45日間待った後にお金が入ってくることになります。

では、仕入先への支払はどうでしょうか。もし、仕入先への支払期間が入金の45日よりはやかった場合、得意先からの入金を待たずに仕入先へお金を支払わなければなりません。そこで、企業はその分のお金を用意しておく必要があります。

いくら企業が赤字でも、この資金調達ができている間は企業は倒産しません。 しかし、いくら企業が黒字でも、資金調達ができなければ倒産 してしまいます。これを 黒字倒産 と呼びます。

財務分析は、このようなリスク(経営の問題点)がないかを把握し対応していくために行います。

財務分析で使用するのはどのレポートでしょうか?

先ほど、「財務諸表は、企業が 利害関係者 に対して一定期間の経営成績や財政状態等を明らかにするために作成される決算書類です。」と書きましたが、利害関係者 とは誰でしょうか。

利害関係者

株式会社の場合は、「株主」、「取引先」、「税務当局」、そして「従業員」などが代表的な利害関係者になります。
そして、上場している企業が利害関係者に報告する最も詳細な報告書が「有価証券報告書(ゆうかしょうけんほうこくしょ)」です。

有価証券報告書

「有価証券報告書 とは、金融商品取引法にもとづき、有価証券を発行する企業が、投資家保護を目的として金融庁に提出する報告書。」(証券投資用語辞典より引用)

下記のリンクから有価証券報告書を確認できます。

この有価証券報告書は、株の購入を検討している方以外にもいろいろな使い方があります。

たとえば、

  1. 営業職の方
    取引先の経営成績や財政状態を把握し、与信管理等に役立てる
  2. 経営者
    ライバル会社等、他社と比較して自社の強み、弱みを把握する
  3. 新入社員
    自社の業績や財政状態を調べる

このような分析をするのも、財務分析のひとつです。

いかがでしたでしょうか。今回はここまでにしたいと思います。次回は、財務分析の計算式についてご紹介いたします。

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