痩せてもまた太っていくシステム

痩せてもまた太っていくシステム

ERP導入支援をエンドユーザサポートという観点から行った際のお話です。ERP導入後、安定稼働しても終わりではありません、導入後のシステムの機能改修について感じたことです。

気になる某フィットネスジムのCM

新年度になり、桜も散り始めて、次は夏がやってきますね。夏となるとちょっと体のラインなんかを気にし始めて、家の体重計に乗るのにも勇気が必要ですよね。体重計に乗った後、肩を落としてTVをつけると毎日といっていいほど某フィットネスジムのCMが流れています。ブーチブー、ブーチブー、特徴的な効果音とともにタレントやモデルのBefore/Afterを印象的に演出、劇的なダイエット成功を売りに宣伝しています。結果にコミットかぁ、むむ。

企業のシステム も同じように通常は 肥大化していくシステム を新たに 統廃合することでスリムにしていく サイクルが発生します。新しいERPシステムの導入でまさに一度は企業のシステムはダイエットし、スリムになりました。

しかしスリムになったシステムはそのままの体型を維持できるのでしょうか。

「結果にコミット」した後は

某フィットネスジムのCMですが、CMに起用されたタレントをしばらくしてメディアで見たりすると、CM放送時に比べると太っている?ダイエット前に戻っている?ことがありました。リバウンドというものでしょうか。ダイエットに成功してもそれで終わりではありません、一時の制限を乗り越えた後も油断はなりませんね、闘いは続きます。

それと同様に、ERP導入後、稼働も何とか安定してきたシステムに対してより 業務効率 を良くするため、導入後に出てきた問題点を解決するためにユーザから改善要望のヒアリングを行いました。

そこで出てきたものは一つずつ確認し、対応策を検討していきます。
以下は例ですが、

  • 営業用レポートプログラムに表示する項目を追加して欲しい
  • ERPから出力される注文書の表示内容を変更して下さい
  • バグを修正して欲しい
  • 得意先担当者が使う発注システムに返品の機能を追加してもらいたい
  • 仕入先が納期回答できるシステムを追加して欲しい、、、などユーザからの要望を聞いて、なぜ必要なのかを確認していきます。費用対効果 を考えて、対応可能なものと対応不可能なものを分けていきました。

その中でも判断が難しいのは、上記例であれば最後の2つで、「得意先」や「仕入先」など 取引先が絡んでくる場合 です。他のコラム でも触れていますが、日本の企業文化、商習慣では 取引先との信頼関係を重視している傾向 が他の国々よりも強く、取引先の意見や要望はできるだけ通してほしいというユーザの声がありました。この時のヒアリングは、日本だけでなく他の国々のERPユーザからも行われましたが、取引先との機能強化の要望が多く出ていたのはやはり日本でした。自社内のユーザだけでなく取引先が絡むと無下にはできないところがどうしてもあるのでしょうか。

その要望がどこから出たのか、声の大きさなどもありますが、ユーザから言われてシステム担当としては「まずは機能改修のための見積もりを、、、」と始まり、気がついたら追加で取引先向けの周辺システムを追加で開発することになりました、とか、すでにあるシステムに機能を追加していきましょうという話しに進んでいってしまいます。

もちろん妥当性を判断した結果での決定なのでそのこと自体は本来問題ではないのですが、内容によってはどうしても 過去の時代の部分最適化 に戻ってしまっているような錯覚があります。「あれ、このシステムって前に同じようなものがあったような、、、」

元に戻ってきた?

国内外の旧システムを新しいERPで統廃合したシステムは導入後にかなりスリムになりました。各社、各事業部で 乱立していたホストシステムを撤廃し、集約 した結果です。全体の最適化、スリムになるためには多少 我慢しないといけない 点もあり、そこをユーザに説明し、業務運用を変更 してもらうなどの対応を行い、理解とともに乗りこえることができました。

しかし、稼働から時間が経過し、システム改善の要望を聞いていくと過去に捨てたはずの機能が姿、形は変わっているものの、元に戻ってしまったように見えるものがあるのでした。ユーザもシステム開発担当者もずっと同じ人間であればいいのですが、導入時点の人がいなくなってしまったとかで当時の状況を知っている人がいないと、最初からその機能がなかったようにしか見えないこともあり、上記のようないわば リバウンド的システム改修 が発生しているケースがあります。

ERPシステム導入後は時間の経過とともに少しずつ改修・追加が行われ、機能が膨らんでいくのは避けられませんが、ただユーザの改善要望をそのまま受け入れるのではなく、その 要望の背景(過去) と 今後のシステムのあるべき姿 を把握して、無駄のない機能改修をしなければいけませんね。

フィットネスの観点で言えば、脂肪を落とすだけではなく運動もして筋肉をつける、ということでしょうか。これからやってくる暑い夏に向けて、今から身体を動かしましょう。

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