経営分析をしてみよう! ~その2 成長性分析~

経営分析をしてみよう! ~その2 成長性分析~

みなさんの会社は成長していますか?「売上高が伸びているので成長しています!」という答えは正しいようにみえますが、売上高の伸び以上に費用が発生していれば利益は減少します。利益が減少しても売上高が伸びていれば会社は成長しているといえるのでしょうか?今回は成長性分析についてご紹介します。

はじめに

前回は、「経営分析の概要」についてご紹介しました。
経営分析は大きくわけると、定量分析 と 定性分析 にわけられます。

  • 定量分析とは
    将来見込まれる業績を算定するために企業の財務データに焦点をあてた分析方法
  • 定性分析とは
    将来の業績に影響を与える可能性のある無形の要因を査定する際に用いる分析方法

簡単な表現にすれば、定量分析 は企業の財務諸表の数字を分析しますので、財務分析 とも呼ばれます。主に以下の4つを分析します。

  • 成長性分析
  • 収益性分析
  • 生産性分析
  • 安全性分析

この4つの分析を、以降のコラムで順番にご紹介していこうと思います。
まず今回は、成長性分析 についてご紹介します。

経営分析

損益計算書(PL)を分析

成長性分析とは、企業の規模が拡大しているかを見る指標です。
よく使われる成長性分析には、以下のような指標があります。

企業の成長性を見るには、損益計算書(PL)を分析し、 「売上高」や「利益」の伸び率 をみるとわかりやすいです。

ただし、売上高が伸びていれば成長しているようにみえますが、利益の伸びが売上高の伸びを下回る場合は、売上高の伸び以上に費用が発生していないか原因の究明が必要です。

売上高成長率

売上高の前期に対する伸び率を表します。
売上高成長率 = (当期売上高 - 前期売上高) / 前期売上高 × 100

売上総利益成長率

売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いた利益で、売上総利益の前期に対する伸び率を表します。
売上総利益成長率 = (当期売上総利益 - 前期売上総利益) / 前期売上総利益 × 100

営業利益成長率

営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益で、営業利益の前期に対する伸び率を表します。
営業利益成長率 = (当期営業利益 - 前期営業利益) / 前期営業利益 × 100

経常利益成長率

経常利益とは、企業が通常の経済活動で稼いだ利益で、経常利益の前期に対する伸び率を表します。
経常利益成長率 = (当期経常利益 - 前期経常利益) / 前期経常利益 × 100

当期純利益成長率

当期純利益とは、企業のある期間における最終的な利益で、当期純利益の前期に対する伸び率を表します。
当期純利益成長率 = (当期純利益成 - 前期純利益成) / 前期純利益成 × 100

    損益計算書

 

貸借対照表(B/S)を分析

総資産増加率

企業の規模がどれだけ拡大しているかを表します。
総資産増加率 = 総資産増加額 / 基準時点の総資産残高 × 100

※ただし、総資産は増加していても利益増加率の増加と一致しない場合は、不良債権や不良在庫の増加が原因である可能性があるので利益増加率とセットで判断をします。

純資産増加率

純資産がどれだけ拡大しているかを表します。
純資産増加率 = 純資産増加額 / 基準時点の純資産残高 × 100

貸借対照表

成長性分析 – その他

従業員増加率

従業員数の増加で企業が成長しているかを表します。
ただし、設備の導入による省力化などにより、逆に従業員数が減少することもあります。
従業員増加率 = (当期従業員数 - 前期従業員数) / 前期従業員数 × 100

一株当たり当期純利益(EPS)

企業の一株あたりの利益額を示すもので、当期純利益と、普通株式の発行済株式数から計算される(Wikipediaより引用)。
一株当たり当期純利益(EPS) = 当期純利益 / 普通株式の期中平均発行済株式数

定量分析(財務分析)するときにおさえるポイント

定量分析(財務分析)するときにおさえるポイントは、以下の通りです。

今年度の財務諸表だけみてもあまり情報は得られない

売上高が100億円あります。これは良い状態なのかどうかは過去と比較してみないとわかりません。
仮に、前年度の売上高が50億円ならば成長していると判断できますが、前年度の売上高が150億円ならばマイナス成長していることになります。自社の過去と比較する場合は、最低でも過去3年分、理想は過去5年分の財務諸表を比較し推移をみます。過去5年分を比較することで、ある年度だけおきた異常な値も平均化され、その企業の傾向がみえてきます。

同業他社や市場全体との比較する

前年度の財務諸表と比較した結果、売上高成長率が10%でした。成長しているようにみえますが、もし市場全体の平均成長率が20%であれば、業界の中で見れば伸びていないということになります。

まとめ

成長性分析 は、企業の規模が拡大しているかをみる指標 です。企業の成長性を見るには「売上高」や「利益」の伸び率をみるとわかりやすいです。

今年度の財務諸表だけみてもあまり情報は得られないので、できれば過去5年分の財務諸表を比較したり、同業他社や市場全体との比較をして成長しているか判断します。

売上高が伸びていても、利益がそれほど伸びていない場合もあるので、売上高、費用、利益の相互の伸びのバランスを判断していくことが大切です。

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