VMware の仮想マシンを AWS に移行しよう! ~ AWS Management Portal (GUI) 編 ~

VMware の仮想マシンを AWS に移行しよう! ~ AWS Management Portal (GUI) 編 ~

2016.09.07

VMware の仮想マシンを AWS に移行する方法について、今回は AWS にて提供されている vSphere 用に開発されたアプライアンスを用いた GUI 操作による移行方法を紹介します。

はじめに

本コラムでは、オンプレミスにある既存のサーバーをクラウドに移行する方法について紹介させていただきます。移行元は VMware vSphere の仮想マシンを使用し、移行先は AWS のクラウドサービスを使用して、全 3回の連載で進めてきました。今回は、第 3回目の AWS Management Portal (GUI) の機能を利用した実践的な移行方法について紹介します。

第1回「VMware の仮想マシンを​ AWS に移行しよう! ~ AWS 基本編 ~」
— 移行前に AWS サービスの基本を理解していきます。

第2回「VMware の仮想マシンを AWS に移行しよう! ~ VM Import/Export (CLI) 編 ~」
— コマンドによる移行方法を紹介します。

第3回「VMware の仮想マシンを AWS に移行しよう! ~ AWS Management Portal (GUI) 編~」
— GUI による移行方法を紹介します。←今回はこちら

 

移行要件と環境準備について

今回のコラムでは、AWS Management Portal というサービスを利用して、VMware vSphere の仮想マシン (Windows) を AWS に移行 します。

AWS Management Portal による 仮想マシンの移行は、前回紹介した VM Import/Export の機能と同じ技術を利用しています。仮想マシンを転送する機能は、VM Import/Export を利用しますので、基本的には、VM Import/Export と同等の要件が必要となります。それに加え、vSphere と AWS の接続用にユーザ認証のセットアップと AWS Connector という専用のアプライアンスのデプロイが必要となります。

用意した環境は、前回コラムで利用した環境と同一の環境です。

移行元環境

  • vCenter Server 6.0 Update 1 x1台
  • ESXi Server 6.0 Update 1b x1台
  • 仮想マシン (ゲスト:Windows Server 2012 R2 64bit) x1台

※ Windows マシンを AWS 上に移行する場合には、事前に RDP のアクセス許可の設定をしておくことを忘れないようにしてください。

 

1. AWS Management Portal のセットアップ

AWS Management Portal をセットアップするには、まずは、組織内のユーザーが AWS リソースにアクセスできるようにする必要があります。そのため、以下の作業を行います。

  1. AWS 認証プロバイダーアカウントと vCenter サービスアカウントの作成
  2. AWS Management Portal と認証プロバイダーの間の信頼の セットアップ
  3. AWS Connector VM の デプロイとセットアップ

認証プロバイダーは、AWS Connector アプライアンスを使用するか、個別で用意した ID プロバイダーを利用したユーザー認証のどちらでもセットアップ可能です。今回のコラムでは、AWS Connector アプライアンスを使用したユーザ認証で進めます。詳細については、こちら を参照してください。

AWS Connector によるフェデレーション認証プロキシ構成

  1. AWS 認証プロバイダーアカウントと vCenter サービスアカウントの作成
    AWS 上で IAM ユーザをひとつ作成し、AWSConnector ポリシーをアタッチします。また、vCenter Server 上でもシステム管理者権限を持つアカウントをひとつ作成します。具体的なセットアップ方法は、こちら を参照してください。
  2. AWS Management Portal と認証プロバイダーの間の信頼のセットアップ
    ブラウザにて AWS Management Portal for vCenter セットアップコンソール を開きます。1. の手順で作成した AWS 認証プロバイダーアカウントと vCenter サービスアカウントを指定して、信頼関係のセットアップを行います。具体的なセットアップ方法は、こちら を参照してください。
  3.  AWS Connector VM のデプロイとセットアップ
    こちら より Connector VM の OVA をダウンロードし、vSphere 環境にデプロイを行います。

AWS Connector のデプロイ画面

正常にデプロイが完了したら、Connector VM に https:// でアクセスし、初期設定を行います。具体的なセットアップ方法は、こちら を参照してください。

2. AWS Connector を使用した Amazon EC2 への仮想マシンの移行プロセスについて

AWS Connector を使用して、vSphere 仮想マシンを AWS の EC2 インスタンスに移行するプロセスは以下の通りです。

  1. vSphere クライアントが環境への インポートを許可 します。
  2.  AWS Management Portal は、ユーザーに VM を環境に移行する権限があることを確認し、トークンを返します。
  3. vSphere クライアントは、トークンと一緒にインポートのリクエストを AWS Connector に送信 します。
  4. AWS Connector が トークンを確認 します。
  5. AWS Connector は、ユーザーが VM をエクスポートする アクセス許可を持っていることを確認 します。
  6. AWS Connector で 移行が開始 されます。
  7. AWS Connector から vSphere クライアントに、インポートタスク ID を示した返信が送信 されます。

AWS Connector による移行プロセス

 

3. 仮想マシンを移行してみる

AWS Connector VM のセットアップが正常に完了すると、vSphere Client のメニューを開くと (仮想マシンを右クリック)、[Migrate to EC2] というオプションが追加されています。こちらを利用すると、仮想マシンを AWS に移行することが可能です。

Migrate to EC2 オプション選択画面

[Migrate to EC2] のウィザードでは、EC2 インスタンスとして移行するために、Operating System や Instance Type などの指定を行う必要があります。

Migrate to EC2 ウィザード画面

[Migrate to EC2] ボタンを押下すると、移行タスクが開始されます。ウィザード画面上では、Import Task ID (import-c-2) が生成されるため、それを元に、現在の移行の進捗状況を確認することができます。

Import Task ID 確認画面

指示に従い、ホーム画面から AWS Management Portal のアイコンをクリックします。

vSphere Client ホーム画面での AWS Management Portal アイコン

ImportVMtoEC2 フォルダを開くと、現在進行中 (AWS への移行中) のタスクの状況を確認することができます。

移行タスクの進捗確認画面

 

注意事項

以上で、vSphere 上の仮想マシンを AWS 上に移行することが可能となりましたが、いくつか 注意事項 があります。

  1. VM Import/Export の機能をベースにしているため、移行の流れとしては、仮想マシンを一旦 OVF エクスポートしてから移行するかたちとなります。そのため、仮想マシンはパワーオフ状態である必要があります。
  2. 移行タスクが完了後、AWS S3 上に仮想マシンのイメージが残る可能性がありますので、削除する必要があります。

その他、移行に際しての条件などは、こちら を参照してください。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。AWS Connector を動作させるためのリソースが追加で必要となってしまうデメリットはありますが、認証プロバイダーの役割も果たしてくれるものとなっているため、非常に簡単に導入が可能です。是非、AWS への移行を検討されている方は、試してみてください。

本コラムをもちまして、VMware 上の仮想マシンを AWS に移行する連載は完結となりますが、今後も現場で役立つような実践的な AWS の利用方法などについて紹介していきたいと思います。

記事は、予告なく変更または削除される場合があります。
記載された情報は、執筆・公開された時点のものであり、予告なく変更されている場合があります。
また、社名、製品名、サービス名などは、各社の商標または登録商標の場合があります。