在庫管理の基礎 ~在庫は増える~

在庫管理の基礎 ~在庫は増える~

2016.10.12

「在庫」とは何でしょうか?「在庫」を持つ目的、どうして増えるのか、、など考えてみました。

在庫とは何か

「在庫」とは何でしょうか?簡単に言えば、「将来に使用するために保管している品物」です。

たとえば小売業では「商品」を仕入れて倉庫に置き、カスタマー(お客様)に買ってもらうためにお店に陳列しています。製造業では、買ってきた「材料」を倉庫に保管し、その材料を生産ラインに投入して「製品」を作り、販売します。そういった「商品」、「材料」、「製品」といったものが在庫になります。

 

 

在庫を持つ目的とは何か

在庫はカスタマーの「x日までに品物がほしい」という要求(=需要) に対して、自社で その品目を確保(=供給)して販売 します。在庫を持つ目的 は、その需要と供給の間にある「ずれ」を調整すること です。

しかし商品や製品の在庫を持っておけば、即納ができてカスタマーのサービスレベルが向上しますし、欠品による販売ロスを削減することができます。材料の在庫があれば、すぐに生産することができるのでカスタマーへの納期の短縮をすることができます。

そして考えていた以上に品物が売れた場合や何らかの理由により手配に時間がかかり必要な部品が足りなくなる状況に備えて在庫を持つこともあります。

どうして在庫は増えるのか

在庫を持つことは会社にとっていいことのように感じるかもしれませんが、そうとばかりは言えません。在庫はいつの間にか増えていきます。なぜ増えていくのか考えてみたいと思います。

  1. 商品がまだ売れるのに品切れになると、お店は開店休業状態になります。営業部門 はせっかくの販売チャンスがなくなるのを嫌がって余分に製品の在庫を持ちたくなります。
  2. そして 販売部門 は「前期の実績から今期はこれだけ売れるはず」と考えて販売計画を立てたり、会社の事業方針で立てた計画をそのまま販売計画に取り込んで販売計画を立てたりする ことがあります。
  3. 生産部門 は、営業部門から「この製品を作って出荷してほしい」と言われたときに万が一にも 製品在庫がなくて要望に答えられないことを恐れて在庫を持ちたくなります。
  4. 購買部門 も欠品によって生産ラインが止まってしまって、生産が止まってしまうことを恐れて在庫を持ちたくなります。など 様々な理由により在庫が増えていくことになります。

在庫が増えていくことの問題点とは何か

商品や製品はカスタマーに売れてから初めて会社にお金が入ってきます。しかし、品切れが怖くて持っている 余分な在庫は、売れなければいつまでも倉庫の中で「眠っている在庫(=死蔵在庫)」となり利益を生み出しません。英語では Dead Stock と呼ばれるものです。そればかりか、商品や材料を買ってきた費用や 生産にかかった費用も回収できない ことになります。

いつまでも在庫として持っていると保管費用もかかりますし、販売価格の値下がりが起こります。結果として買ってきた金額よりも安く販売することになったり、賞味期限切れで廃棄することになったりするかもしれません。

もともと 販売計画は市場の動向を見ながらどれだけ売れそうかきちんと調べたうえで作成すべき ですし、売り上げが伸びているのかそれとも減っているのかを調べて 販売計画を逐次見直す必要がある はずなのですが、在庫があり品切れがおきないと忘れがちになる ことがあります。

在庫管理の必要性

在庫は需要と供給の差を埋めますが、持ちすぎると市場のニーズが見えなくなり会社に悪い影響を及ぼすことがあります。そのため注意しなければならないのは、在庫のままでは会社に利益をもたらさない ということです。つまり 在庫は多すぎても少なすぎても困るもの なのです。そのため 在庫をコントロールすることが必要 となります。在庫管理の目的は、在庫の持つメリットとデメリットの両方を考えたうえで、適正な在庫量を保つこと になります。

在庫回転期間の計算

在庫の投資への評価指標 として、在庫回転期間 というものがあります。

在庫回転期間とは、何日または何か月分の売り上げに相当する在庫を持っているかの指標 です。または、在庫をすべて消費するためにかかる期間を示します。この期間が短いほど 会社に入った品物がすぐ使われていることを示し、在庫の効率がいい ことになります。

在庫回転期間の計算方法は下記に示す通りです。棚卸資産回転期間 は、貸借対照表の棚卸資産合計を売上高(または売上原価)で割ったもの で、割った数値に12を掛けると在庫回転月数、365を掛けると 在庫回転日数 となります。

例えば在庫回転期間が30日となっていたとすると、商品を仕入れてすべて販売するまで30日間在庫として持っていたことを表します。もし売上が変わらないで回転期間が15日になったとすると、1回に在庫を仕入れるお金が半分ですむことになり在庫への資金の投資が効率的に行われたことになります。これにより保管費用が減りますが、発注費用は増えていくことなります。そのため 在庫回転期間はできるだけ短くすればいいものではなく、会社にとって適切な在庫回転期間を決めていくことになります。在庫回転期間ではなく分子と分母を入れ替えた在庫回転率を使って評価することもあります。

在庫回転期間の計算方法

いかがでしたでしょうか。
今回のコラムでは、「在庫」について、掘り下げてみました。
次回以降のコラムも、どうぞお楽しみに。

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