「話す」ことと「伝える」こと ~話す仕事 は、ロボットや機械に奪われてゆくのか?~

「話す」ことと「伝える」こと ~話す仕事 は、ロボットや機械に奪われてゆくのか?~

「話す」ことと「伝える」こと。トレーニングインストラクタという仕事をしていて思うのは、「伝える」ことの難しさです。 「話す」こと、「伝える」ことのプロフェッショナルは、どうやって解決しているのでしょうか。そして、それはロボットや機械化、人工知能の波にのまれてしまうのでしょうか…? いろいろな仕事と比べながら考えてみました。

話すことのプロフェッショナル

話すことのプロフェッショナル といえば、
・アナウンサーや司会者
・塾やセミナーの講師
・落語家や漫才師
ほかにも、トレーニングインストラクタ などもあります。 ← 私はコレ!

どの仕事も、「話す」だけでなく 「伝える」ことが大切 で、内容の正確さはもちろんのこと、聞き取りやすさなど、相手の立場に立って「話し」、「伝える」ための工夫がなされていることでしょう。

「話す」ことと「伝える」ことの違いは、「相手に理解してもらえたかどうか」という、結果の違い だと考えられます。理解してもらえなければ、そのために費やした時間が価値の低いものと感じてしまいます。反対に、理解してもらうことができれば、達成感、満足感が得られます。

双方向性のある場面では、「話す」側にもそれが「伝わり」、さらにしっかり「伝えよう」とする相乗効果が得られます。

進化し続けるヒューマノイドロボット「NAO」

昨今、ロボットや人工知能 により、人間の仕事が奪われる などと言われておりますが、これら 「話す」仕事 も奪われてゆくのでしょうか。

ロボットが人間の仕事を奪う!?

話す仕事 は、ロボットや機械に奪われてゆくのでしょうか?

話す仕事(1) アナウンサー

音声合成技術の進歩のおかげで、家電製品の音声ガイダンスや公共交通機関のアナウンスなど、定型的な文章 においては、人間の声と区別がつかない場合が少なくない ですね。必要にして十分なレベルに達していると感じます。
一度データを作成してしまえば、部品(言葉)の差し替えなど、容易に対応できるようです。でも、準備に十分な時間が取れない放送などでは、聴きやすさ(理解しやすさ)の面で、まだまだ人間の活躍の場 がありそうです。

ただし、機械翻訳の精度などと同様、許容できるレベルに達するのにかかる時間は、さほど長くないかもしれないですね。

話す仕事(2) 塾やセミナーの講師

提供するコンテンツがある程度一定であっても、双方向性の求められる塾やセミナーでは、臨機応変な対応 が必然で、人工知能の学習能力 (最近はディープラーニングなどもありますね) がどこまでそれに応えてゆけるか、興味深いところです。

話す仕事(3) 落語家

これはなくなってほしくないですね。エンターテインメントの世界こそ、人間の独壇場 だと思いたいです。本当に!(ボーカロイドを否定するつもりはありません)同じ噺をするにしても、来場者の客層、客席の 反応の様子など伺いながら、微妙な調整をしている のだそうです。

実は私は、トレーニングインストラクタ は、塾やセミナーの講師よりも、落語家に近い存在 ではないかと思っています。
個人的に落語のファンであることもその一因ですが、同じコンテンツ(トレーニング内容)であっても、受講される方が変われば、当然受け取り方も変わり、しっかりと伝えるために必要な工夫も、相応に変化 させなければなりません。簡単ではありませんが、「伝える」ことができた時の達成感、満足感には、相通ずるものがあるように思います。

サポートセンター 電話対応 vs チャット

また、サポートセンターの仕事 も、「話す」ことがとても大切な仕事 といえるかもしれません。

サービスのポイントである「心地良さ」

しかし先日、ある企業のサポートセンターを利用しました。電話によるサポート以外に、オンラインでサポート担当者と チャット する方法が選べました。物珍しさも手伝って、チャットサービスを選択したところ、担当者の技術的スキルに加え、コミュニケーションスキルの高さも相まって、心地良く問題が解決されたのです。サービスを受ける側にとっては、この「心地良さ」も大切なポイントだと思います。

チャットでのやり取りは、問題解決後、速やかに ログとして送付 されてきました。それを見返しながら、ふと思いました。「チャットは、ロボットでも可能かもしれないな。」
小説が書けるほどの能力を備えた(人工知能)機械が相手ならば、多少の違和感は問題視されなくなる日も、そう遠くないのではと感じます。

話はそれましたが、トレーニングの世界にも、機械化の波 は以前から押し寄せています。e-Learningです。黎明期からは想像もできないほど、コンテンツの多様性、効果、満足度が向上しており、その進化はまだまだ続きそうです。それでも、すべての教育コンテンツがe-Learningに置き換わらないのは、「伝える」部分の機械化が困難 だからではないでしょうか。

また、心地よいサービスかどうか、人それぞれ感じ方が異なりますので、柔軟な対応が肝心 で、その面でも、まだまだヒトの優位性が保たれているのではと思います。

教育の分野では、いわゆる 「ハイブリッド」形式 で、両者の良いところを積極的に活用しています。

ロボットは人間の仕事を奪うだけでなく生み出していくもの

「機械 が仕事を奪う 」のではなく 「機械にできることはやってもらう。人間 には別 にできる仕事がある。」 と考えることもできるでしょう。

確かに、過去、技術の進歩とともに、かつて存在していた仕事のうちのいくつかが消えて ゆきました。 しかし、同時に新しい仕事が生まれ、それがさらなる技術の進歩を後押し してきたのも事実です。 今後もその流れは変わることはないのかもしれませんが、変化のスピードが劇的に速くなったことは確かです。

トレーニングの「伝える」ことの難しさを、技術の進歩の手を借りて解決 することもできる時代がすぐそこまで来ているかもしれませんね。

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