BCCC主催「ブロックチェーン大学校」でブロックチェーン技術の真髄を学ぶ

BCCC主催「ブロックチェーン大学校」でブロックチェーン技術の真髄を学ぶ

2016.10.31

金融+ITのフィンテックの話題が毎日のようにニュースに出てくる昨今。先だってのニュースリリースにもあるように、当社はブロックチェーン推進協会「BCCC」(Blockchain Collaborative Consortium)に発起メンバーとして参加しています。その活動の一環としてブロックチェーン大学校という教育プロジェクトが開始し、筆者もこれに参加する機会を得ました。今回は、そのときの様子をご紹介いたします。

今注目のブロックチェーン技術とは?

みなさんこんにちは。千田泰史です。
突然ですが、昨今ニュースで見かける 「ブロックチェーン」 について、皆様ご存知でしょうか。

ブロックチェーン、それは 情報を記録するしくみ のこと。中央集権的でなく自律的 、かつ 低コストで 高い信頼性 が特徴です。
技術について、詳しくは、弊社古川のコラム記事等をご一読ください。

ブロックチェーン推進協会「BCCC」と「ブロックチェーン大学校」

さて、その ブロックチェーン の日本国内での啓発活動、技術推進、そして企業やエンジニア間での情報共有を目的として、ブロックチェーン推進協会 「BCCC」 (Blockchain Collaborative Consortium) が去る 2016年4月に発足 しました。

ブロックチェーン推進協会
弊社は BCCC の発起メンバーとして参加しており、そのご縁で、BCCCが主催する ブロックチェーン大学校 の 第1期受講生 として参加することができたので、そのときの様子をお伝えしたいと思います。

ブロックチェーン大学校 は、日本におけるブロックチェーンの導入を検討する企業に向けた、ブロックチェーンエンジニア を対象とする教育カリキュラムです。

開校日の2016年8月17日が、第1期生の第1回講義であり、筆者は幸いにもこの初回から出席することができました。ところで、上には「第1期」と記述しましたが、実際には 「第1ブロック」 と呼称していて、これはもちろんブロックチェーンにちなんだものです。この大学校が、今後もブロックチェーンのように「連鎖」して継続していってほしいという願いが込められています。

初日のコース看板

当日のニュース記事です。
https://www.coin-portal.net/2016/08/18/11892/

ブロックチェーン大学校では、何が学べるのか?

ブロックチェーン大学校のカリキュラム は、以下のとおりです。筆者が参加した「第1ブロック」の 募集要項 に示されています。

ブロックチェーン大学校カリキュラム

第1回 ブロックチェーン、ビットコイン、暗号金融技術の概要
第2回 ビットコインにおける暗号学 〜ハッシュ関数と楕円曲線 〜
第3回 取引とブロックのビットレベルでの検証
第4回 Script 〜 ビットコインのプログラミング言語 〜
第5回 重要な BIPs 〜 BIP 32, BIP 39, BIP 44, BIP 45, BIP 70-74, BIP 65 〜
第6回 ビットコインのP2Pプロトコル
第7回 ビットコインコア 〜 元祖クライアント 〜
第8回 ビットコインのスケーラビリティ

※ なお、トレーニングカリキュラムは今後の第nブロックでカリキュラムが変更される可能性があることをご承知置きください。

初回の授業風景

第1ブロックでは、この内容を初回8月17日から、最終回10月5日までにかけて、毎週水曜日の19:00から21:00までの2時間みっちりと学習しました。

今回の講師

ジョナサン先生

講師は、ビットバンク株式会社 の技術顧問 ジョナサン・アンダーウッド氏 (Mr. Jonathan Underwood) です。

ビットコインの初期の頃からさまざまな関連ソフトウェアの開発に携わり、現在進行形でオープンソース開発にも貢献されているとても聡明な方です。

ブロックチェーン および ビットコイン を構成するさまざまな要素技術を独学で身につけたとはご本人の談であり、また、書籍 「ブロックチェーンの衝撃」 の共著者のひとりでもあります。日本語で書籍を著していることからお分かりのように、日本語が非常に堪能なため、彼の講義は専門的であってもたいへん分かり易いものでした。

各回の講義タイトルから見て取れるように、ブロックチェーン大学校 のカリキュラムの大部分は ビットコイン に関係しています。

ブロックチェーン それ自体は単独で成立する技術項目ですが、サトシ・ナカモト氏が ビットコインを発明した際の中核的な技術でもあり、ブロックチェーン のしくみを理解するためには、ビットコイン についての理解を深めることがとても有効 だからです。

このトレーニングカリキュラムで触れている内容をざっくりと ご紹介 すると、以下のようになります。

学習できる内容

  • 各種ハッシュ関数、HMAC
  • 楕円曲線函数および楕円曲線暗号の関係、sekp256k1等
  • バイナリ数値表現(符号の有無とエンディアン、補数表現)およびエンコーディング(Base64やBase58など)
  • マークル木による検証手順
  • Scriptとよばれる専用のスタック型言語
  • P2P技術
  • 分散システムにおけるビザンチン将軍問題
  • 各種言語での実装(主に JavaScript, Python, C++ , Java等)
  • 最新のトピック(Lightning Network や Micropayment の概要と動向等)

計算機科学や数学の歴史的成果の組み合わせによって成り立っている、ブロックチェーン

エンジニア向けを謳っているがゆえに 高度に専門的 であり、またそれらが 幅広い分野 にまたがっています。

読者諸氏のなかには、たとえば学生時代に取り組んでいた課題によっては、得意な分野が含まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このように、ブロックチェーン技術というものは、計算機科学や数学におけるさまざまな歴史的成果を組み合わせて成立 しています。そこが非常に魅力的だと個人的に感じています。

但し、ジョナサン先生に言わせると、今回のトレーニングコースはこれでもまだまだ初等的な内容であり、今後は より応用的で deep diving なカリキュラム も企画・検討されているとのことですので、既に当該分野についての専門的な知識をお持ちの方であっても、ブロックチェーン大学校の今後の展開に要注目です。

最高におもしろい授業

さて、授業の様子ですが、これが 最高に面白かった です。ジョナサン先生のお人柄か、軽妙なジョークを交えつつ、複雑で高度なテーマについても微に入り細に入り終始分かり易く講義されていました。内容の難解さをほとんど感じさせずに聴衆の知的好奇心をくすぐっていくスタイルは、普段インストラクター業務を担う筆者としても、とても勉強になりました。

参加されていた「同級生」の方々は、主に 金融機関や FinTechベンチャーのエンジニア の方々でした。ブロックチェーンやビットコインについて、既にある程度の技術的な背景をお持ちの方とお見受けしました。一方で、筆者はある意味で畑違いのインフラ系のインストラクターなので、正直なところついていくのがやっとでして、ここでは周囲との力量の違いを痛感しました。

毎回授業の後には宿題が出され、その回の内容をじゅうぶんに理解できているかどうかを確認することができました。さらに最終回の授業終了時には「まとめのテスト」 が実施され、全体の理解を振り返ることができました(その上さらに「修了証」 も授与されました)。

このように、受講生への丁寧なケアのおかげで、その場限りの所謂 「勉強会」 ではなく、まさに看板どおりの 「大学校」 の名にふさわしい アカデミックな雰囲気 が醸成されていたように感じました。

最終日の授業風景。このあと平野BCCC理事長からの修了証授与がありました。

最終日の記念撮影シーンが掲載されているサイトです。筆者も右端に写っています。
http://bccc.global/ja/articles/494.html

ブロックチェーンを学ぶこと

上記に挙げたように、ビットコインやブロックチェーン について独学で学ぶことは、範囲が広くて内容が高度なものが数多く含まれているため、興味があってもなかなか骨が折れます。その点において、ブロックチェーン大学校 で提供される体系的な学習カリキュラムには 無駄が無く、効率的に学ぶことができる と感じました。

ブロックチェーンに関する一連の報道などを眺めていると、その 実用性や収益性 など、まだまだ実社会での検証の余地があるものの、エンジニアとして学ぶべき技術体系の一つである と筆者自身強く感じています。
現状では自分が「落第生」状態だと自認していますが、この先も継続的に学んでいきたくなるような課題を得て、とても楽しんでいます。

ご興味を持たれた向きは、 ブロックチェーン大学校のサイトもご覧ください。

最終日、メンバー全員で記念撮影

ブロックチェーン大学校
http://bccc.global/ja/blockchainuniversity

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