これだけは押さえたい!引当金ってなに?

これだけは押さえたい!引当金ってなに?

2017.01.18

ERPを扱うにあたって、知っておいた方がいい会計の話。 今回は、将来発生する可能性がある費用や損失を事前に見積もっておく「引当金」についてご紹介していきます。

前回の復習

まずは、前回ご紹介した キャッシュフロー計算書 について、振り返っていきましょう。

  • キャッシュフロー計算書とは、会計期間中のキャッシュイン、キャッシュアウトを把握し、企業のお金の流れを計算して表示するレポート のことで、財務諸表の1つです。
  • キャッシュフロー計算書で、企業の支出や、事業に対する投資とそこからのリターンなどを見ることができます。
  • キャッシュフローは、営業活動 によるキャッシュフロー、投資活動 によるキャッシュフロー、財務活動 によるキャッシュフロー の3つの区分に分けられます。
  • 営業活動によるキャッシュフローの作成方法 は、直接法 と 間接法 があります。

詳しい内容は、前回のコラムをご確認下さい。

そして、今回ご紹介するのは、引当金 についてです。

引当金とは

引当金についてご紹介していく前に、費用収益対応の原則についてお伝えしておきます。
費用収益対応の原則とは、ある会計期間に発生した費用のうち、その会計期間の収益を得るために貢献した部分だけを、その会計期間に発生した費用であると認識する という考え方のことを言います。つまり、その期間の収益獲得のために使った費用 は、その期間に計上するということです。

では、ここで本題の引当金についてです。

引当金 とは、将来発生するかもしれない特定の費用や損失を見積もれる場合に、前もって準備しておく見積もり金額 のことを言います。
この場合、実際の現金の支出がなくても、計上していくことになります。
今期に発生したとみなされる費用や損失に関しては、今期の金額として計上していく必要があるのです。

さきほどご紹介した 費用収益対応の原則に則って、正しい期間に正しい費用・損失の金額を計上していくためにある のが、この引当金というものなのです。

引当金として計上するための要件 を挙げておきます。

  • 将来の特定の費用または損失であること
  • 発生が当期以前の事象に起因すること
  • 高い発生可能性があること
  • 金額が合理的に見積もり可能であること
    (企業会計原則注解18より)

引当金の仕訳

引当金の例

引当金というと、例えば 貸倒引当金 というものがあります。

貸倒引当金 とは、売掛金 や 貸付金 など、債券の回収ができなくなった場合に備えて、回収不能となる見込額を前もって計上しておく ものの事を言います。 貸し倒れ が発生するということは、受け取れるはずだった現金がもらえないことを指します。

ということは、下手をすると危険な状況にもなりかねません。もちろん、先ほどご紹介したような収益と費用を同じ年に計上する費用収益対応の原則を実現させるという目的もありますが、それだけではなく貸倒引当金を確認する事で、こういった危険な状況を予測することが可能 となります。

他にもわかりやすい例でいうと、返品調整引当金 というものもあります。これは、将来発生する見込みのある返品に対して設定する引当金 の事を言います。出版業や医薬品化粧品、レコード・CDといったような製造業など 特定の業種に限っては、費用として計上することを認めています。

まとめ

今回は引当金について簡単にご紹介していきました。以下、今回のまとめです。

  • 会計には、費用収益対応の原則 というものがあります。ある会計期間に発生した費用のうち、その会計期間の収益を得るために貢献したような部分だけを、その会計期間に起こった費用だと認識するという考え方のことを言います。
  • 引当金 とは、将来発生するかもしれない特定の費用や損失が見積もれる場合に、前もって準備しておく見積もり金額のことを言います。費用収益対応の原則に則り、今期の収益に対応する費用として金額を計上していくことになります。
  • 引当金の例として、回収が見込めない場合に備えて準備する 貸倒引当金、特定の業種に限って費用計上を許可する 返品調整引当金 などがあります。

いかがでしたでしょうか。今回は引当金についてご紹介しました。
次回のコラムもお楽しみに。

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