BIツールの最近のキーワード「セルフサービスBI」って何?

BIツールの最近のキーワード「セルフサービスBI」って何?

2017.02.08

今回は、ここ数年のBIのトレンドである「セルフサービスBI」をご紹介したいと思います。「レポートを活用する」と一言にいっても、「レポートを作成する人」と「レポートを使用する人」って実は違うのです。前号のコラム「価値あるデータを活用しよう~「データ分析」と「レポート作成」のための3つの考慮事項」) に引き続き、効果的な分析とレポートに必要なことを見ていきたいと思います。

レポートを作成するユーザと、使用するユーザは違う?

データ分析、ビジネスインテリジェンス、ビッグデータ、データサイエンティスト等々…もはや一般用語となっていますね。企業内外に存在するデータを資産ととらえ、活用する ことがが企業やユーザにとって一般的なことになりつつあるということです。

今までの 分析やレポート では、定型帳票のように、形が決まっているものを出力し、それをユーザのニーズに合わせた形で見るために使い慣れた Excel などで加工 をしていました。もしかすると今でもその形態を使用しているユーザも多いかもしれません。(もちろんExcel自体を否定しているわけではありません。Excelには多くの分析用の機能がありますが、そもそもレポート作成や分析を目的としたツールではありません。)

なぜせっかくのレポートを Excel で加工するかというと、レポートを作成するユーザ(または分析のデータを用意するユーザ)と、レポートを使用するユーザ(実際に分析を行うユーザ)が 異なる からです。つまりはレポートや分析に必要とされる要件が、実際に作成されるレポートに反映していないことからこのようなことが発生するのです。

これを解決するためには、レポート要件に沿ってレポートを作成 することが必要です。当たり前と思われるかもしれませんが、実は非常に難しいです。

セルフサービスBI

一般的に レポートを作成するのは IT部門 であることが多いです。レポートを使用し、分析を行うユーザは 業務部門 であることが多いです。

IT部門はITやシステム構成に精通していますが、業務的な知識は不足しています。業務部門はその逆です。本来は、業務知識を持ってレポート作成や分析を行うことが必要 ですが、実際にレポートを作成するのは、業務に精通していないIT部門 となります。この矛盾ともいえる状況が「レポート要件に沿ってレポートを作成すること」を難しくしている大きな要因になります。

そこで、業務知識を持ったユーザ自身がレポートを作成する ということが、一番効率が良いといえます。これを「セルフサービスBI」といいます。つまりITに詳しくない 業務部門のユーザがレポートを作成し、分析を行う ことができるということになります。ITスキルのあまり高くないユーザが 比較的簡単にかつ直感的に使用できるBIツール を、セルフサービスBIツールといいます。

IT部門と業務部門の違い

IT部門 は、レポート/分析要件というよりは、システム側の制約や管理のしやすさに重きを置きがち です。IT部門では、システムのパフォーマンスやリソースの問題も考慮して、レポート作成や分析が行われる環境を提供していきたいと考えています。

一方、業務部門 のユーザは、もっと自由に、自分の見たい情報を見、分析したいデータをより柔軟により自由に選択したい と考えています。

そのため、セルフサービスBI を導入し、業務部門の個々のユーザがレポートを自由に作成することができるようになれば、レポート数は飛躍的に増加する可能性 があります。また、より自由に分析を行えるように広範囲のデータを対象にすればレポートや分析作業自体が重くなる可能性があります。複数システムのデータ、企業内外のデータを対象に分析する要件も出てきます。

業務部門にどこまで自由に行わせるか、IT部門がどこまで管理するか、この差をどう埋めていくかを考える必要があります。

セルフサービスBIを成功させるために必要なこと

従来IT部門が担当していたレポート作成作業を、業務部門ができるようにするためには、以下について考える必要があります。

情報システムへのセルフサービスBI の導入方法の検討

今までIT部門で担当していたレポート作成のすべてを、いきなり業務部門で行うようにシステムを切り替えることは無謀と言えます。現状のBIシステムに、追加拡張としてセルフサービス機能を導入していくのがおすすめ です。また、ある程度基本的なレポートはIT部門側で準備し、業務部門側が追加で必要とする部分を業務側で作成できるようにするのが望ましいです。また、レポートや分析の対象にするデータソースへのアクセスやデータの準備は セキュリティや内部統制上の観点からIT部門で用意する必要 があります。

セルフサービスBIツールの選定

どのようなセルフサービス系のBIツールがあるかを知り、利点・欠点を含めその特徴を理解する必要があります。セルフサービスBIツールベンダーとして有名な、Tableau Software、Qlik Technologies、TIBCO Software や、もともとBIツールに注力していたベンダーである IBM、Microsoft、SAP、Oracle などがセルフサービスBIツールを出しているため、既存のシステム構成も考慮にいれて選定する必要があります。

セルフサービスBIツールの使用方法の教育

いくら直感的に使用できるとはいえ、ユーザのITレベルによりますので、基本的な操作については 社内教育する必要 があります。

データ分析と活用方法の知識の共有

これは、業務部門、IT部門含め、データを分析することで どのようなメリットがあるのかを共通認識として自覚することが大切 です。また、企業としてどのようなBIシステム/ツールを導入し、どのようなレポート作成/分析を行っていくかには、IT部門の知識、業務部門の知識、経営的な判断も必要になってきます。そのため、部門横断的な専門のチームを作り、BIの戦略を立てる ことも、BI導入を成功させる大きなポイントとなってきます。

最後に

今回は「セルフサービスBI」というキーワードについて紹介しました。ちなみにこの用語はIT調査会社のガートナーでは「データディスカバリ」とも呼んでいます。BIのトレンドをいち早くつかむためにガートナーのレポート(Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms 2016)もぜひ参考になさってください。

 

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