VMworld 2017 in Las Vegas 参加体験記 Part.1

VMworld 2017 in Las Vegas 参加体験記 Part.1

仮想化業界のトップである VMware 社が主催する世界的イベントの VMworld 2017 US に参加してきました。
昨年に続き、SDS、SDN 関連のアップデート、注目の VMware Cloud on AWS の発表など、数々の新製品、今後の戦略についてキャッチアップしてきたので、各カテゴリに分けて紹介したいと思います。

VMworld の概要

こちらのイベントは今回で14回目となり、今年も昨年に続き、アメリカネバダ州ラスベガスにて、8月27日から8月31日までの5日間で開催されました。

会場も去年と同様に、Mandalay Bay Convention Centerを利用しており、事前登録者の段階で、2万3千人(日本からは300名以上のユーザ企業やパートナー関係者が参加)とかなり大規模なイベントとなっておりました。

ラスベガスには空港から近い場所に大きなホテルが多く立ち並んでおり、VMworldの他にも色々なジャンルでこのようなコンベンションが開催されるということです。

I AM

毎年こちらのイベントでは、1年間の方針・スローガンとなるようなテーマがあり、今年のテーマとなったのが、「I AM」(アイアム) です。

こちらは、「一人一人が、これから始まるデジタルビジネスの未来に対して、世の中を変革して行く」という意味合いを持っています。基調講演である General Sessionでも”デジタルトランスフォーメーション”というキーワードが何度も使われており、今後進歩していく IT の技術などの変化に対応をしていかなくてはいけないというメッセージと受け取れました。

Cloud

ここからは、カテゴリごとに新たな発表・製品について紹介をしていきます。

まず、クラウドに関してですが、昨年の10月に発表があった VMware Cloud on AWSのサービス開始がGeneral Session の1日目に今回の1番の目玉として発表されました。

Cloud Foundation について

AWSとの連携の話をする前に基盤となるプラットフォームの簡単な説明をします。こちら去年発表があったものですが、vSphere + VSAN + NSX で “Cloud Foundation”という呼び方をしていて、これが サーバ仮想化、ストレージ、ネットワークセキュリティ、というようにVMware の強みであるSDDC(Software Defined Data Center)のプラットフォームの基本的な形となっています。

VMware Cloud on AWS について

VMware Cloud on AWSは、オンプレミスの環境で利用している既存の環境(上記 SDDC)とAWSのクラウドプラットフォームに展開されている環境とで、相互運用・管理ができ、尚且つ、AWSのサービスに関しても利用ができるというサービスとなります。

プライベートクラウド、パブリッククラウドの垣根を超えてサービスを提供できる仕組みを展開していく”ハイブリットクラウド”を実現できるのが VMware Cloud on AWSのサービスとなります。

もちろん、既存の環境がなくとも、VMware Cloud on AWSのみでの利用は可能となり、強みとしては、クラウドサービスとして vCenterServer も含めたSDDC環境単位で利用が可能というところが、現在縮退(日本では撤退)している VMwareが提供していたクラウドサービスである vCloud Airとの違いです。

VMware Cloud on AWS概要(セッション公開資料をもとに作成)

しかしながら、現状の問題点として、オンプレミス – クラウド間のvMotionとAWSのDirect connectについては現状、利用ができないようなので、今後の動きが気になるところです。

また、すでに北米のリージョンはサービスインをしているのですが、日本のリージョンの開放は、2018年のQ2と言われていました。

先ほども記載しましたように、SDDCというVMwareの強みであるプラットフォーム単位を貸し出せることにより、既存の環境との連携、スケールアウトなどができ、顧客が望んでいた形のサービスになったと言えるかと思います。またVMwareとしては、Amazonと手を組むことで、安定したプラットフォーム、クラウドへの参入という面で大きなメリットがあり、Amazon(AWS)側としても、オンプレミスの仮想化のトップを走るVMwareと手を組むことにより、VMwareのユーザを取り込むことができ、まさに Win Win の状態だと言えると思います。

ただ、VMwareをクラウドとして利用するメリットは十分ありますが、AWSのサービスとの兼ね合い/連携が今後どう展開されていくのか、というところを注目したいと思います。

Container Platform

次にDay 2のGeneral Sessionで大きな注目となった「Pivotal Container Services(PKS)」について紹介します。

CEOの講演や今年のテーマの中にも要素として入っている「デジタルトランスフォーメーション」に対応していく必要性に関連して、近年注目されているコンテナ技術をVMwareのSDDCと連携して行えるような形として実現させたのが、こちらのPKSとなります。

コンテナ技術とは何か?

コンテナ技術とは、OS上に他のプロセスからは隔離されたアプリケーション実行環境を構築することで、仮想的な動作環境を、仮想マシンと比べ、より少ないコンピュータリソースで実現する技術のことです。

簡単に言うと、最低限のハードウェアリソースでname spaceという空間を作り、そこでプロセスの実行ができ、開発環境や運用面の変化への対応(例えば、検証やアップグレード)などを迅速に行えるようにするための技術です。

コンテナ技術の課題とKubernetes

次にPKS のサービスを可能にしている技術の部分についてKubernetesについても簡単ではありますが紹介しようと思いますが、まずは、従来のコンテナ技術の課題についてお話をします。

基本的に、同一ホスト内で動くコンテナ同士は、プライベートネットワーク経由でやり取りができますが、ホストの外側とやり取りする場合は NAT (IP Masquerade)を経由する必要があるということで、標準のDocker実行環境では、ホスト間の連携が煩雑になってしまうケースが多いという点があります。

そうなってしまうと、コンテナの数が増えて要求されるリソースが大きくなった時に、容易にスケールアウトすることが出来ないといった問題点が出てきます。

Kubernetesの技術を利用する事により、コンテナのデプロイやスケーリング、負荷分散といったコンテナのクラスタ管理ができるため、その課題を解消し、尚且つ、NSXによるネットワークとセキュリティ周りの連携ができたサービスがこちらのPKSとなります。

VMware / Pivotal / Google によるエンタープライズ向けコンテナプラットフォーム(セッション公開資料をもとに作成)

Pivotal のCEOである ロブ・ミー氏もおっしゃっていましたが、顧客に共通しているのは、いかに迅速にデジタル変革(新たな製品の開発やバージョンアップ等)を行なうかという課題とともに、並行して既存のレガシーアプリも実行する必要があるという点なので、今後のデジタル変革の時代には、デベロッパーのことも考えたプラットフォーム作りが必要ということでした。

こちらの開発から運用までをシームレスかつ協調的に行い、顧客からのフィードバックを迅速にアプリケーションの開発に反映するという動きは、いわゆる「DevOps」の働きといえるかと思います。

ちなみに、なぜ【 PKS 】は K なのか。

こちらは、Pivotal Container Services なので C となるのが普通かと思われますが、Google のGoogle Container Engine(GKE)と同様に、Kubernetesの技術が利用されているため、そちらの K をとっているということだそうです。

Storage

そこまで大きな発表などはなかったのですが、昨年から注目を浴びているSDS(Software Defined Storage)の分野でVSANの話もGeneral Sessionでも話が出ていたため簡単ではありますが紹介致します。

VSANに関しては、去年も詳しい説明があったため、割愛しますが、General Sessionの場では、VSANが利用されているHCUであるvxRail/vxRackの売り上げが前年比400%増 (テキサス州)となっているということで、海外では、着実にHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)の普及は進んでいる状況が伺えました。

またSolution Exchangeのエリアで、パートナーのベンダーが各々ブースを展開しているところでも製品紹介をしておりましたが、HPE、IBM、富士通を筆頭に”Cloud”の分野でも説明しまし「Cloud foundation」のパッケージとして提供している様子が目立ったので、日本でもHCIの導入も今後増えていくのではないかと思われます。

いかがでしたでしょうか。Part.1では、イベント自体の概要と今回のVMworld 2017で注目の発表に関して記載をさせていただきました。

後半でもNetwork & SecurityやIoTなどの他の分野についての紹介をしていきたいと思いますので、是非ご覧頂ければと思います。

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