10年日記 ―無理なく続けられる振り返りで、自分自身と向き合う―

10年日記 ―無理なく続けられる振り返りで、自分自身と向き合う―

ちょっと面倒かもしれませんが、一人でじっくり省察したい方にお勧めしたいのが、日記です。過去を振り返り、未来へ活かすため、日記を始めてみてはいかがでしょうか。

振り返りとは

人は日々の仕事の実践的な経験と、それを振り返ることでより深く学べるという考え方を、人材育成の領域では「経験学習」と呼んでいます。

ただ経験をすれば何かが学べるというわけではなく、そこから何が良くて何が改善点なのかを振り返る時間をきちんと設けて、次に活かすべき何かを見出すことで学び、成長するという考え方です。

でも、毎日振り返りを行うことは意外に難しいですよね。

振り返りツールとしての日記

新年を迎えて、あるいは新年度から、日記を始めようと思っている方も少なくないかもしれません。

日記はよいものだということはなんとなくわかっているけれど、続けるのはなかなか面倒なものです。書くことを思いつかなかったり、1-2行くらいしか書くことがなかったり。日記帳を開いたものの、はてと考え込んでそのままパタンと閉じてしまう。。。そんな日が続くと、ついそれっきりになってしまいそうです。

ここでは、日記を振り返りのツールとして活用し、三日坊主で終わらせないための方法を考えてみます。

普通、日記にはその日の出来事や感想などを書く方がほとんどだと思いますが、振り返りのツールとして活用するためには、ただ書いて終わりではなく、「読み返す+書く」習慣をセットにすることが重要です。そして、読み返すためには、読み返すだけの量が欲しいところ。そのためには、たとえ一日分の記入量が少なくても、長期間続けることが重要なのです。

ついつい面倒になってしまう大きな理由には、「長い」文章を「しっかり」書かなければならないという真面目な思いが根底にあるのではないでしょうか。

つまり、「短く」「ささっと」書くのであれば、書くこと自体はそれほど苦にならないと思うのです。

「短く」「ささっと」なら10年日記

ただでさえ面倒なのにまさか10年日記なんて、と思われがちですが、少し考えてみてください。10年日記は、1ページが10年分に分割されていて、一日あたりの記入量が少ないのが特長です。だいたい4-5行程度なら、それほど刺激的ではない普通の日でも、なんとなく書けます。空欄を埋めきれない罪悪感のようなものも感じる必要もありませんし、書きたいことがたくさんあって、少し物足りなく感じる程度が、ちょうどよいかもしれません(要約する練習にもなります)。

このように、毎日続けていくためには、時間がなくても「短く」「ささっと」書けるということがポイントです。

日記を使って振り返るときのコツ

さて、ではどのように振り返りツールとして使えばよいのでしょう。正解はありませんが、一例としてご紹介します。

1. 書く前に、少し読み返してみる

1年前、2年前の今日、どんなことを考え、何を頑張っていたかをすぐに思い出せたら、ちょっと面白いと思いませんか?10年日記の面白さの1つはその点にあります。2年目以降は、毎日必ず過去の自分を振り返ることができるのです。

それも、ただなんとなく読み返すのではなく、「あのときどうしてこう考えたのだろう」、「あのときどうやって乗り越えたのだろう」、「今だったらどうだろうか」などを意識しながら読み返すと、いろいろな考えが沸き上がってきます。おそらく「こうすればよかった」「今ならこうできる」と感じることもあるでしょう。

読み返すことで、過去の自分と現在の自分を比べながら、今の自分を知ることができます。

これまで、どんなふうに頑張ってきて、今の自分があるのかを知ることは、自分の考えをまとめる上で役立ちます。自分の歴史書を読むようなものですね。

②そのまま、今日の日記を書いてみる

少し読み返して得た感触を味わいながら、今日の日記を書いてみます。あくまでも「短く」「ささっと」書くこと。学びだとか成長だとか、あまり堅苦しく考えなくて構いません。おそらく、読み返さずにいきなり書き始めるよりもすっきりした気持ちで、その中身は整理されているはずです。

10年日記では、過去と同時に未来にも目を向けることができます。今書いている欄の1つ下は、来年の今日の欄です。来年の今頃、自分はどうなっているだろうと考えることは、「未来の自分」に向かって文章を書いているような気分になります。

③できれば目標を立ててみる

自分しか読まないこの日記帳に目標を書き込むということは、「未来の自分に宣言をする」ということです。

自分しか読まないのですから、どんな小さなことでも構いません。1年経てば、今度はそれが達成できたのか、それともできなかったのか、きちんと向き合うことになります。もちろん、到達していればうれしいですし、そうでなくても「また頑張ろう」と思いを新たにすることができます。自分に対してなので、言い訳する必要もありません。

④おまけ

毎日書くのがどうしても難しいときは、3~4日くらいならなんとか記憶をたどって書くこともできます。でも、最近はそれもちょっと危ない。。。つまり、定期的に記憶力の低下度合も確認できるということですね。

習慣になることで初めて実感できる、日記の良さ

日記というツールを使わずに、こういった振り返りができる方もいらっしゃると思いますが、文字にすること、紙に残すことは、思っている以上に記憶に留められるものです。10年日記をつける習慣ができると、一日の終わりには、自然と一日を振り返るモードに切り替えて、明日どうするかを考える余裕が生まれます。

過去を振り返り、未来へ活かすため、あらためて日記の良さを見直してみてはいかがでしょうか。

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