NVIDIA最新技術が集結!「GTC 2018」参加体験記

NVIDIA最新技術が集結!「GTC 2018」参加体験記

人工知能(AI)の普及に伴い、ますます存在感を増しているNVIDIA。GPUの分野では唯一無二の存在で、めまぐるしい成長を続けています。そのNVIDIAが主催するグローバルカンファレンスGTC 2018に参加しました。今まで以上の盛り上がりを見せた本イベントの様子をご紹介します。

GTCとは

GTC(GPU Technology Conference)とは、NVIDIA社が主催するGPUのテクノロジーイベントです。

GPU Technology Conference Webサイト
http://www.gputechconf.com/

参加者は年々増加しており今年は総参加者数8,500人、日本からの参加者は352人でした。これは開催地アメリカに続き2番目に多い参加人数となります。このことからも日本でいかにAIビジネスが注目されているかがうかがえます。

全体で600以上のテクニカルセッション、150を超える展示ブースがあり、連日とても盛り上がっていました。

テーマは「I am AI」

昨年と同じくテーマは「I am AI」でした。

NVIDIAでは、Graphics, Science, AI, Robotics の分野に力を入れており、それぞれの分野にて最新のテクノロジーを駆使した開発環境が紹介されました。以下で、基調講演や展示ブースなどで発表された最新のテクノロジーおよび製品の一部をご紹介します。

ちなみに、前回の参加記事はこちら
NVIDIA主催の注目イベント「GTC2017」参加体験記

注目の新製品、テクノロジー

今回も、多くの新製品やテクノロジーの発表がありました。その中でも注目の内容をご紹介したいと思います。

DGX-2

NVIDIA社CEOのジェン・スン・ファン氏による基調講演にて一番の盛り上がりを見せたのがこのDGX-2の発表ではないでしょうか。

DGX-1の後継機となり、DGX-1の2倍の16基のGPUを搭載しています。

16基のGPUはNVSwitchという新しいインターコネクトにより完全相互接続され、これによりGTC 2018が開催されるわずか半年ほど前に販売開始したVolta版DGX-1の10倍も高速化が可能となりました。

また、DGX-2ではKVMによる仮想化に対応しており、仮想マシンからGPUおよびNVSwitchへのアクセスが可能となります。DGX-2ではDockerコンテナを利用するか、仮想マシンを利用するかというユーザの選択肢が増えたことも大きなポイントといえます。

値段は399,000ドルほどで販売されるとのことですが、300台のCPUベースのサーバと比較した場合、同じ性能でも価格は8分の1、設置スペースは60分の1、消耗電力は18分の1という高いコストパフォーマンスを発揮するとのことなので、決して高額すぎる値段ではないのではないでしょうか。

NVIDIA DGX-2 ー複雑な AI の課題に挑戦する、世界で最も強力な AI システムー
https://www.nvidia.com/ja-jp/data-center/dgx-2/

NVIDIA RTX

NVIDIA RTXというVolta世代のGPU専用のテクノロジーが発表されました。

Volta GPUコアに搭載されているTensor CoreをRTXの動作に使用しており、高いレイトレーシングが可能となります。

展示のスペースではRTX×DGX Stationの組み合わせでリアルタイムにレイトレーシングを行っている様子が見られるデモスペースが大きな賑わいをみせていました。

NVIDIA RTX 技術がリアルタイムのシネマティック レンダリングの夢を実現
http://www.nvidia.co.jp/object/nvidia-rtx-technology-real-time-cinematic-rendering-20180320-jp.html

Quadro GV100

Tesla版Volta GPU(16GB)が販売されてから半年ほど経過し、Quadro製品でも初のVolta GPUが搭載された製品がリリースされます。Tesla V100、TITAN Vと同じ、GV100チップが搭載されます。また、NVLinkのコネクタにより2基のGV100をNVLink接続できます。

ディープラーニングの時代に向けて、NVIDIA がワークステーションを変革
https://blogs.nvidia.co.jp/2018/04/06/quadro-gv100-deep-learning-simulation/

Kubernetes on NVIDIA GPU

コンテナオーケストレーションツールとして事実上の標準となっているKubernetesがNVIDIA Device Pluginにより、KubernetesでGPUがサポートされるようになります。

GPU共有により最大限にGPUを使用することができ、また、NVMLやDCGMなどのデータセンタ管理ツールを使用することによりGPUの監視、メトリックの取得が可能になります。

Kubernetes (英語)
https://kubernetes.io/

Kubernetes on NVIDIA GPUs (英語)
https://developer.nvidia.com/kubernetes-gpu

Isaac(アイザック)SDK

NVIDIA Isaac SDKというロボット開発、展開するためのドライバ、ツール群が発表されました。

Isaac SDKにはIsaac Simというシミュ―レーターが含まれており、そのシミュレーターによりロボットを実環境に展開する前にバーチャル環境にてトレーニング、シミュレーションできる開発プラットフォームを発表しました。

この開発環境によりロボット開発者たちは開発、トレーニングを効率的に行えるようになるのではないでしょうか。日本でもロボットビジネスがとても盛んなので注目していきたいプラットフォームのひとつです。

NVIDIA Isaac SDK
https://developer.nvidia.com/isaac-sdk

仮想体験

VR Valleyという展示スペースでは、2017年にリリースされたNVIDIA Holodeckの技術を体験することができました。Holodeckはバーチャル空間のデザインラボで、主に自動車の自動運転やデザインに利用されているそうです。

体験ではヘッドセットとVRゴーグルを着け両手にコントローラーを持つと、NVIDIAのエンジニアの方と一緒にバーチャル環境に入り、車を分解したり小さな部品を拡大してみたりと実物を使用せずとも、デザイン・設計をすることができます。

また、基調講演ではHolodeckのバーチャル空間から実物の自動車を運転する様子も見ることができました。実際に自動車を運転せずともリモートから運転できる。これは自動車の自動運転の開発への利用はもちろん様々なサービスにも応用できるのではないかと感じました。

現在NVIDIA社内での開発だけではなく、顧客向けにもアーリーアクセスを受け付けているようです。
https://www.nvidia.com/ja-jp/design-visualization/technologies/holodeck/

GPUもマルチクラウド化

上記でご紹介した新製品(DGX-2, Quadro GV100)はハードウェアですが、GPUはクラウドにも対応しています。

今回のGTCにて、新たに3つのクラウドプラットフォームに対応することが発表され、以下のプラットフォームに対応となります。

  • Amazon Web Services
  • Microsoft Azure
  • IBM Cloud
  • AliCloud (NEW)
  • Google Cloud Platform (NEW)
  • Oracle Cloud (NEW)

クラウド環境でGPUを利用することで、要件やその時々のニーズに合わせてスケールイン、スケールアウトできることができますし、環境構築もハードウェアを購入するのと比較すると容易にできます。

企業のセッションでも、クラウドでGPUを使いスケールアウトにより学習時間を短くすることができたという使用事例もいくつか耳にしました。

まとめ

GTCにてNVIDIA社の最新の技術やGPUの活用例についてキャッチアップすることができました。

今回のGTCにて感じたことは、対応プロダクトやプラットフォームが飛躍的に増えこれまで導入できていなかったユーザへの可能性が広がったと感じました。

日本においてはAIの分野はまだ発展途上ですが、これからの発展にはNVIDIAのプロダクト、技術は必須だと思われます。これからのNVIDIAの成長にも目が離せません。

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