人材育成の最大のイベント ATD2018 参加体験記① 多様な学びと「マイクロラーニング」

人材育成の最大のイベント ATD2018 参加体験記① 多様な学びと「マイクロラーニング」

人材育成に携わっている多くの方が、いつかは参加したいと夢に見るATD人材開発国際会議。世界中の人材育成の専門家にとって最大のイベントといわれるATD人材開発国際会議(ATD International Conference&Exposition)に、参加する機会を得ましたので、簡単ですが、その様子と、参加したセッションの中から「バーチャルクラスルームでのマイクロラーニングの活用」の内容ご紹介します。

ATDとは

世界最大級の人財育成に関するイベント、しかも今年は75周年

ATD(Association for Talent Development)とは、人材開発、組織開発の分野で、カンファレンス開催や出版、認証などを行っている団体です。このATDが、毎年5月頃に開催している国際会議がATD International Conference and Exposition(ATD-ICE)です。これは、世界最大級の人財育成に関するイベントで、世界中から10,000名以上の企業の人材開発担当者や、コンサルタント、教育機関、行政のリーダーなどが参加し、最新トレンドの情報交換が行われる場となっています。人材育成に携わっている多くの方が、いつかは参加したいと夢に見るカンファレンスです(これは個人の意見です)。

75周年を迎える今年は、2018年5月6日~9日の日程で、San Diego Convention Centerにて開催されました。

ATD Webサイト
http://www.astd.org

ATD人材開発国際会議2018 Webサイト
http://atdconference.td.org/

ATD人材開発国際会議2018の構成

ATD 人材開発国際会議は、以下のような構成になっています。

カンファレンスセッション

これがATD-ICEの大部分ともいう要素で、4日間の期間中、約300以上のセッションがあります。大小さまざまな会場で、1日3~4セッションが予定され、1セッションは、60~90分程度です。事前予約制ではありませんが、参加したいセッションはあらかじめ決めておくことを強くお勧めします。期間中、様々な国からの参加者が行き交う様子を観察するのも、ちょっと楽しい時間です。

基調講演

今回は以下の3名の方でした。特に、今年はATD75周年のメモリアルイヤーでもあり、オバマ前大統領が登壇するとあって、5/7は朝6:30からサンディエゴ警察に見守られつつ長蛇の列ができるなど、大変な賑わいでした。

前日には、セキュリティに関する注意喚起文書がメールされ、さぞ厳しいチェックがあるのだろうと覚悟していましたが、それほどでもなく無事に席を確保することができました。

  1. バラク・オバマ氏  第44代アメリカ合衆国大統領
  2. マーカス・バッキンガム氏 ギャラップ・オーガニゼーション上級研究員
  3. コニー・ポデスタ氏 教育者・プロカウンセラー、作家、エンターテイナー

展示ブース

約400社以上が出展し、自社のサービスやツールなどを紹介しています。セッションの間の隙間時間に見に行くつもりでしたが、あまりの規模の大きさに、目的のブースにたどり着くまで一苦労でした。

※上記以外に、「プレカンファレンス」と呼ばれる、別枠で事前のセッションがありますが、こちらには参加していません。

参加者は、300以上のセッションから選んで参加することができるわけですが、当然、時間帯が重複しているものもあり、事前のスケジュール作成は重要です。

また、広い会場では、次はどのセッション?どこの部屋?などを意識していなければ、効率よく移動できません。たとえば、参加したもののちょっと想定と違うなと感じた時は、すぐに気持ちを切り替えて、第2希望のセッション会場へ移動する、ということもあります。第2候補くらいまで事前に決めておければベストです。

プログラムガイド。とても分厚くて重量ありますが、結局、期間中ずっと持ち歩いていました。

期間中のセッションの概要や展示ブースの説明が記載されています。

初日の朝、混雑する受付の様子。ここで名札やプログラムガイドを受け取ります。

基調講演会場への案内が掲げられています。

周囲の主なホテルから会場までは、シャトルバスを使います。

セッショントラックの分類

カンファレンスセッションは、さらに以下のようなトラックに分類されています。

この分類は、毎年少しずつ変化しており、ATDで話題となったテーマが、数年後に日本で話題になることもあります。常に関心を集める伝統的なテーマとして、「リーダシップ開発」や「インストラクショナル・デザイン」が上位に挙がっていますが、比較的新しいテーマである「学習の科学(Science of Learning)」では、人材育成を加速させる方法を探し出す研究として「ニューロサイエンス(神経科学)」が注目されています。

トラック種別#トラック名称セッション数
合計325
Content Tracks1Leadership Development49
2Learning Technologies45
3Instructional Design40
4Training Delivery34
5Talent Management29
6Science of Learning28
7Career Development20
8Global Human Resource Development17
9Learning Measurement & Analytics 16
10Management13
Industry Tracks11Sales Enablement14
12Healthcare10
13Goverment6
14Higher Education4

参加セッションより少しだけご紹介

ここでは、「ラーニング・テクノロジー (Learning Technologies)」トラックのセッション「バーチャルクラスルームでのマイクロラーニングの活用」についてご紹介します。

セッション紹介「バーチャルクラスルームでのマイクロラーニングの活用」

ATDでも、マイクロラーニングへの関⼼は高く、多くの関連セッションがありました。テクノロジーの発展に伴って環境が変化し、業務での多忙感が⾼まっているためか、学びたいことを、学びたいときに、より手軽に学びたいという学習スタイルは、ミレニアル世代だけでなく、どの世代も求める共通した傾向だと感じます。

バーチャルクラスルームの領域での専門家であるJennifer Hofmann氏によれば、マイクロラーニングとは、(諸説ありますが昨今は)2分以内で、インパクトがあり、1つで完結している学習のかたまり、という特徴をもっているとのことです。

そして、従来との最も大きな学習スタイルの変化は、PushからPullへ(学習者中心)であるということ。お膳立てされた学習ではなく、自らが学ぶ文化が求められるという内容はとても共感できました。学習者が、自ら必要な部分だけを選び取って、学ぶことができ、それをバーチャルクラスルームに活かせれば、リアルな学習よりも様々なメリットがあることを考えると、今までとは違った多様な学び方ができることを感じてワクワクしました。

そして、学習者に応じたアダプティブな機能や、学習者間の相互作用などを組み合わせたマイクロラーニングは、自然な流れとして、今後私たちの学び方の選択肢に加えられていくと感じました。現状でのマイクロラーニングのツールは、まだ進化中という印象ですが、足りない点にだけ目を向けるのでなく、まず試してみて、早くその成果を現場で味わってみたいと強く感じたセッションでした。

さいごに

次回のATD2019はワシントンで開催されます。

参加される方は、事前調査とスケジュール作成のための準備の時間を十分にとってください。参加は、準備から始まっています。ATDのサイトから使用可能な、「スケジュールプランナー」と呼ばれるツールに慣れておくことをお勧めします。英語に自信のある方なら、その場で臨機応変に予定を決めることができると思いますが、そうでない場合は、候補の選定、事前資料の入手および確認などを丹念に行ってください。

準備を整えることで、各セッションで他国の参加者の方々との出会いを楽しみつつ、より多くの情報を得ることができるのではないかと思います!

おまけ

数多くのセッションはどれもこれも興味深く、選びきれない嬉しい悩み。遠足前日症候群というのか、参加予定が決まったあとは、自分でも妙なテンションで体調を崩すなど、事前から残念な状況でした。

行けば行ったで、右も左もわからないまま、必死に予定したスケジュールをこなしているうちに、気が付けば終わってしまうような情けなさを感じながら、「今日、この場は一回きり」と毎朝自分に言い聞かせていました。

ここでしかできない体験、ここでしか得られない感覚を大切に!これから参加される方も、ぜひ「ATDの空気」を楽しんでいただければと思います。

記事は、予告なく変更または削除される場合があります。
記載された情報は、執筆・公開された時点のものであり、予告なく変更されている場合があります。
また、社名、製品名、サービス名などは、各社の商標または登録商標の場合があります。