「プログラミング的思考」を身につけるためのロボットを活用した学習 ~「プログラミング体験NAOと遊ぶ1日」実施レポート~

「プログラミング的思考」を身につけるためのロボットを活用した学習 ~「プログラミング体験NAOと遊ぶ1日」実施レポート~

2019年3月に、神奈川県の「さがみロボット産業特区」の主催イベント「プログラミング体験 NAOと遊ぶ1日」が開催され、JTPはNAOを使ったプログラミング体験教室を実施しました。今回はその様子と共に、「プログラミング的思考」を身につけるためのプログラミング学習の魅力についてご紹介します。

「プログラミング体験 NAOと遊ぶ1日」の概要

2019年3月、神奈川県の「さがみロボット産業特区」主催で、神奈川県在住の、親子・大人を対象に、ロボットに触れ合う場として、プログラミング体験のイベントが開催されました。

イベント概要

名称プログラミング体験 NAOと遊ぶ1日
開催日2019年3月9日(土)
会場ロボテラス (神奈川県藤沢市)
プログラム第1部 10:30 ~ 12:00 「親子でプログラミング体験」
第2部 14:00 ~ 15:30 「大人のプログラミング体験」
主催・後援主催:神奈川県  後援:藤沢市

ロボテラスとは

ロボテラスは、「生活支援ロボットの展示ショールーム」として、2014年にオープンされた施設で、公益財団法人 湘南産業振興財団によって運営されています。実際にロボットを見て、触れることができ、ロボットを身近に感じることができます。

プログラミング体験の様子

プログラミング体験は、親子向けと大人向けの2部に分かれて、それぞれ90分間の教室が開催されました。

親子でプログラミング教室

第1部では、小学生とその保護者の親子を対象に実施されました。

はじめに、NAOの特徴を紹介し、NAOがどんなことをできるのかを学びました。「ロボットがどんな場面で今後使われるといいと思う?」という質問に対し、「一人暮らしの人のお話し相手になると思う」「年齢や性別がわかる特技を生かして、警察とか警備の代わりにもなれそう」「コンビニのレジで人間の代わりに自動でお会計をする」など、さまざまなアイディアが出てきました。

次に、「NAOと遊ぼう」では、NAOに話しかけたり、自己紹介をしたり、興味津々な様子でコミュニケーションを取っていました。

いよいよ、プログラミングの体験。プログラミングの基本を講義で理解したあと、NAOのソフトウェア開発環境(SDK)である「Choregraphe (コレグラフ)」を使用し、NAOに好きな言葉をお話しさせる、手を振るなどの動作をさせる、それらを順番に行ってオリジナルの動きを作る、といった体験を行いました。

大人のプログラミング教室

中学生以上を対象にした第2部では、中学生からシニア世代まで、幅広い層に参加されました。

第一部と同様、NAOの特徴を紹介した後、Choregrapheを使用して、ボックス*で提供されている動作をプログラミングし、2つの動作を並列で行ったり、最後にはプリセットで用意されていないNAOの腕の新しい動きを作る体験を行いました。

*ボックス:Choregrapheにあらかじめ用意されている、動きがプログラムされたオブジェクト。動きには、「話す」「手を振る」などをはじめとし、約100種類以上が用意されており、これらを組み合わせて、プログラミング未経験者でも、簡単にプログラムを作ることができます。

ロボットでプログラミングを学習するということ

たった90分間の今回の体験授業でしたが、それでも、参加された皆さんはプログラミング初心者でも複数の動きを組み合わせたプログラムを作ることができました。
ロボットを活用したプログラミング学習には、どのような効果があるのでしょうか。

プログラミングを学ぶ意義 「プログラミング的思考を身につける」

プログラミングを学ぶ意義とは何にあるのでしょうか。2020年度より小学校でもプログラミングが必修化されますが、これは何も、「全員がプログラミング言語を覚えて、アプリを開発できるようになる」ということが目的ではありません。

必修化の目的の中に「プログラミング的思考を育む」というものがあります。「プログラミング的思考」とは、物事を論理的に考えることや、規則性を見出してそれを再現(実装)するということ、また、それを発展・応用させていく力です。これらは、アプリ開発の場面以外でも、さまざまな学習において必要な力となるものです。

しかしながら、比較的学びやすいと言われているPythonやRubyでも、初心者にとってはハードルが高く、なかなか手を出すのは難しいのではないでしょうか。また、学び始めた後も、言語に慣れるまでは、規則性を見つけることや応用といった、本来学びたい「プログラミング的思考」を身につける段階に至ることができないのが実情です。

直感的に操作できる「ビジュアルプログラミング」

今回の体験授業では、90分間という限られた時間の中でも、子どもから大人まで、NAOに基本的な動作をプログラムすることができました。これは、「Choregraphe (コレグラフ)」の「ビジュアルプログラミング」を活用することによって実現できました。

Chopregrapheは、直感的に操作ができるプログラミングツールです。「開発」というよりは、「遊び」の感覚で動きを組み合わせて、プログラムを作ることができます。また、「ボックス」としてプリセットのプログラムのライブラリが豊富に用意されているため、「遊び」感覚で基礎を身につけ、そこから応用への移行もスムーズに実現できます。
このような取り組みやすさと応用性は、「プログラミング的思考」を育むための要素を備えた環境であるといえます。

NAOのプログラミングツール「Chopregraphe」の編集画面。動作をまとめた「ボックス」をマウス操作で組み合わせることによって、初心者でもプログラミングをすることができる

NAOで学ぶもう一つの効果、「結果が見える」

NAOでプログラミングを学ぶ最大の魅力の一つが「結果がすぐ見える」ということです。通常のプログラミング言語での学習も、実行して結果を確認することはできますが、数値を返すなどで、動きが見えづらいものであることがほとんどです。一方で、NAOのプログラミングでは、手足が動く・喋るといった、子どもから大人までの誰もがすぐにわかる動作を返してくれます。学習において、「結果がすぐに見える」ということは、興味関心を引き立てることや、学習を継続するモチベーションに繋げる上でも重要です。

「プログラミング的思考」から「プログラミングスキル」へ

「ロボット」というと、ついその機械(ハードウェア)に着目しがちですが、それだけではただの機械や人形と変わりません。プログラミングによってロボットの動きを与えるという「ソフトウェア」の部分と組み合わせることによってはじめて、役割を持ち、人間を助ける存在へとしていくことができるようになります。

働き手が不足し、少子高齢化が進む社会において、「ロボットとの共生」は、人間のよりよい生活を作るためにも、いずれ助けになる存在となってくると考えられます。「ロボットとの共生」を実現するためには、アプリ開発ができる「プログラミングスキル」やAI(人工知能)などの他の技術と組み合わせることができるスキルを持った人材が必要になってくることは間違いありません。そのような人材を増やすために、早くからプログラミングに親しみ、「プログラミング的思考」を身につけるということは有効であると言えるでしょう。

ロボットの他にも、手軽に「プログラミング学習」ができるような学習アプリなども最近は増えてきています。ぜひ上手く活用して、プログラミングを始めてみてはいかがでしょうか。

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