Third AI レコメンドアイ 導入事例
株式会社ベルーナ

多様なコーディネート画像にも
対応した高度な商品検索を実現
ベルーナオンラインストアのUXを向上

「お客様の衣食住遊を豊かにする」という経営理念の下、多様なサービスを展開する総合通販商社の株式会社ベルーナ。ECのユーザー層拡大に課題を抱えていた同社は、ブランド軸でのコミュニケーションやWebサイトのUX(顧客体験)向上を推進しており、ベルーナオンラインストアの全面リニューアルを実施。新機能の一つである画像検索にJTPの「Third AI レコメンドアイ」を導入しました。レコメンドアイの「商品カテゴリの自動識別」と「画像内のオブジェクトの自動検出」により、多様なコーディネート画像にも対応した商品検索を実現し、ベルーナオンラインストアのUXを向上しています。


目次

株式会社ベルーナ

「レコメンドアイは、大規模なWebサイトでも要件定義がものすごく大変という訳ではなく、気軽に導入検討できるサービスだと思います」

清水 庸平 氏
株式会社ベルーナ
EC事業本部 Eマーケティング部
UXデザイン室
係長

導入前の要望

  • ユーザー個別に、より適切な商品をレコメンドしたい
  • 複数の商品を含むコーディネート画像でレコメンドしたい
  • 大規模なリニューアルプロジェクトの一部として画像検索機能を導入したい

導入効果

  • 高精度の画像識別による検索結果の最適化
  • コーディネート画像内の商品識別の実現
  • 実装の容易さによる導入プロセスの簡素化

導入サービス/ソリューション/製品

ECのUX向上に取り組むベルーナ

1968年の創業以来、「顧客志向・顧客密着」を合言葉に、通信販売を中心として多様なサービスを展開する総合通販商社の株式会社ベルーナ。1983年に新聞の折込みを活用した衣料品の通信販売をスタートし、1986年には総合カタログ「ベルーナ」を創刊。2000年にはインターネット事業部を立ち上げ、早い段階からEC対応を進めてきました。現在では、ファッションEC通販の「ベルーナオンラインストア」、レディースファッションECモールの「RyuRyumall」をはじめ、化粧品健康食品、グルメ・ワイン、看護師用品など様々な分野で専門のECサイトを展開しています。

長年に渡る通販事業で培われた大規模な顧客データベースが同社の強みですが、メインのユーザー層は、カタログ通販では60代以上、ECでは50代後半となっており、今後の成長のためには、ECのユーザー層を50代前半、40代へと拡げていくことが大きなテーマとなっています。そのため、近年は、世界観やテイストを表現するブランドを軸とした商品展開やコミュニケーションを強化。「ベルーナオンラインストア」や「RyuRyumall」の集客を担うEマーケティング部内にUXデザイン室を設置し、WebサイトとしてのUX向上にも積極的に取り組んでいます。

「Eマーケティング部の役割は、ECの新規顧客創造と顧客満足度の最大化です。その中でUXデザイン室としては、最高に使いやすいフロント作りを目指しており、ユーザーがサービスに触れる際、直感的に使い心地の良さを感じてもらい、顧客体験を高めていけるような施策を日々行なっています。UXデザイン室という名称に変わったのは数年前ですが、名称も含めてUX向上に向き合おうという想いが込められています」


サイトの全面リニューアルと画像検索によるUX向上

同社は、前述した課題を背景として、今後はECからの受注拡大を目指し、ベルーナオンラインストアの全面的なリニューアルを実施。プロジェクトの期間は約2年にも及び、バックエンドからフロントエンドまでサイト全体の機能・サービスを見直しました。UI(ユーザーインターフェース)の刷新やカタログからのシームレスな商品検索をはじめ、ソーシャルログイン、クーポン、キャンセル・返品機能、FAQやレビューなどユーザー向けのサービスを強化。商品検索機能の一つとして、新たに画像検索を実装しました。

ベルーナオンラインストア

ベルーナオンラインストア

「リニューアルに伴い、ユーザーに提供したいサービスや機能について社内含め様々な意見を吸い上げたのですが、その中の一つに画像検索がありました。他でも導入しているECサイトが増えていますし、ベルーナのユーザー層を考えた場合でも、直感的に商品を探して欲しいという願いがありました。例えば、カタログを見ながらサイトで検索するとなると商品名の入力が必要ですが、画像検索ならスマートフォンで撮影した写真をはじめ、予め保存しておいた写真やスクリーンショットのいずれかをアップロードするだけでユーザーが求める商品や類似商品が表示されるので、UX向上への投資になると考えました」

清水 庸平 氏 株式会社ベルーナ EC事業本部 Eマーケティング部 UXデザイン室 係長

清水 庸平 氏
株式会社ベルーナ
EC事業本部 Eマーケティング部
UXデザイン室
係長

その一方で、画像検索がUX向上に貢献できるかどうか、精度において不安があったと言います。リニューアル前のサイトでトライアル的に導入した際に、想定していた成果には到底及ばないことがすぐに判ったのです。

「過去にトライアル実装した画像検索サービスでは、画像の類似度が重視されていたため、価格帯の低い商品を検索していたユーザーに対して高価な商品やすでに在庫がない商品を表示してしまうこともあり、検索から結果表示の精度に課題がありました。そのため、画像検索機能を実装したとしてもユーザーの欲しい商品を上手くおすすめできていないと判断し、当時は導入を見送りました」

しかし、このような経緯があってもなお画像検索によるUX向上に対する社内の期待は大きく、今回のリニューアルに際して、改めてチャレンジすることになりました。


レコメンドアイの識別精度の高さを評価して導入を決断

画像検索の精度をテーマとして、複数の画像検索エンジンを調査した結果、JTPのAI画像検索「レコメンドアイ」が候補となり、2022年7月に正式に導入が決定しました。導入決定の大きなポイントは、「商品カテゴリの自動識別」と「画像内のオブジェクトの自動検出」の2つでした。特に後者は、ベルーナの商品画像であるコーディネート写真にも対応できるという点でも評価が高かったと言います。※

※画像内の複数オブジェクトの自動検出機能は、実装に向けて準備中

「レコメンドアイはエンジンそのものの識別精度が非常に高く、写真から認識した商品のカテゴリを自動で分類することができます。実際に本番稼働してからも、違和感のある検索結果になったことはありません。また、以前トライアルで導入したサービスでは実現できなかったのですが、ベルーナの商品の見せ方の特徴であるコーディネートにも対応できることでした。例えば、一つの商品画像にトップスとボトムスの両方が写っていたとしても、いずれかを自動で識別して個別にレコメンドできることが判りました。」

こうして、2022年7月から8月にかけて要件定義を行い、同年10月からの設計と構築を経て、2023年3月のベルーナオンラインストアのリニューアルオープンに合わせて本番リリースしました。実際のサイトで実装したのは、検索ボックスのカメラアイコンから画像をロードする画像検索、そして、商品詳細ページで表示されている商品画像から類似商品を検索する機能です。特に、前者のユーザーがアップロードした画像から検索する機能では、その画像内のオブジェクトを自動検出でき、且つお客様自身が検索したい部分をピンチイン/アウトで直感的に選べるUIを実現しました。

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「ベルーナを利用されるユーザーは年齢層が高いこともあり、見慣れない新しい機能について、どのように表現した方がいいかという課題はありましたが、JTPからのサポートのおかげで、現在の画面に着地することができ、無事に実装することができました」

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ユーザーアンケートや運用面に現れた現時点での定性的な導入効果

「現在のところ、商品詳細ページに設置した類似商品を検索する機能は、多くのユーザーに使ってもらえていることは確認できており、ユーザーの一定の期待には応えられていると実感しています。実際、サイトリニューアル後に商品を購入したユーザー向けにアンケートを実施したのですが、『便利だと思う機能』や『充実して欲しいと思う機能』の第3位に類似画像検索がランクインしており、ユーザーの満足度や体験価値向上に貢献できていることが判りました。その一方で、検索ボックスに設置した画像検索機能は、そこまで使われていないため、ユーザーが撮影してロードした画像から検索できるということについての認知向上の施策が必要だと感じています」

その他の導入効果として、レコメンドアイの実装負担を意識することなく日々の運用ができていることを挙げています。

「バックエンドの商品情報の登録やマスターデータの管理において、特別な設定作業などは一切発生していません。レコメンドアイは自動で画像を認識してマッチングさせてくれるため、日々の運用面における負荷がなく、運用担当者はAIが動いていることを意識していないと思います。これはAI活用の真価と言えるでしょう」


今後の展望

同社では、今回のレコメンドアイ以外でもAIを活用した様々なサービスを積極的に導入しており、今後のAIの進化とビジネス利用に期待しています。

「ベルーナオンラインストアでは、画像検索以外のレコメンド機能にもAIを採用しています。新規集客用の広告配信にもAIを活用しており、AIの活用が進んでいることは日々実感していますし、今後どうなるか、どのように進化していくか興味があります。ただ、AIで業務効率化が進んだとしてもそこに頼り切るのではなく、効率化して創り出された時間を有効活用し、今まで運用で手一杯だったものを新たな施策立案やWebサイトの改善含めたコミュニケーションの時間に回せたらと考えています」

最後に、レコメンドアイの導入を検討されている方向けに、導入の容易さについて強調します。

「レコメンドアイは画像検索エンジンとして識別機能の精度が非常に高いうえ、要件定義がものすごく大変という訳ではなく、大規模なWebサイトでも導入しやすいサービスだと感じます。どのような仕組みとUIで提供するかなど検討事項は様々だと思いますが、比較的気軽に導入できるのがこのサービスの強みだと言えるのではないでしょうか」

ベルーナ公式キャラクター 「べるーにゃ」(左) 「リュリュらび」(右)

ベルーナ公式キャラクター「べるーにゃ」(左) 「リュリュらび」(右)

お客様情報

  • 株式会社 ベルーナ
  • 本社所在地: 〒362-8688 埼玉県上尾市宮本町4番2号
  • 事業内容: アパレル・雑貨事業/化粧品健康食品事業/グルメ事業/ナース関連事業/データベース活用事業/呉服関連事業/プロパティ事業/その他の事業
  • Webサイト: https://www.belluna.co.jp

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この事例に記載された内容は2023年5月現在のものです。