医療機関のIT部門とソフトウエアベンダーの課題を解決

医療の分野においても、デジタル化による変革が始まっています。それは今までのような情報の電子化、現場における業務効率化を目的としたIT活用にとどまらず、少子高齢化と医療費の増大などの社会課題の解決から、医療の質の向上や医療従事者の働き方改革などを含む大きな動きとなっています。日本国内では2014年の改正薬事法(薬機法)施行により医療機器とソフトウエア(プログラム)に対する規制が新たに定められたこと、クラウドコンピューティングの普及によるITインフラストラクチャの変革、AI(人工知能)およびその関連技術の実用化が進んだことが、この動きを加速しています。
このような背景の中、医療機器メーカーやソフトウエアベンダーでは、新しい医療機器や医療ソフトウエア製品の開発および市場参入、そして、医療機関においてはITインフラストラクチャ刷新のプロジェクトが進められるようになりました。その一方で、機器メーカーやベンダー、そして病院のIT部門においても、新規事業に配置できるリソース不足や医療現場向けの製品デリバリーやインテグレーションのノウハウ不足などの問題があり、円滑なプロジェクトの推進と事業そのものをスケールさせられるかどうかが課題となっています。
JTPでは、新しい製品の薬機法対応から販路開拓や営業支援、実際のデリバリーから運用保守、そして病院内ITインフラストラクチャ刷新プロジェクトまで、医療におけるデジタル変革を支えるさまざまなサービスを提供しています。

医療におけるデジタル変革を支える

ITの視点から見た医療におけるデジタル変革

  • 新しいテクノロジーの導入

    新しいテクノロジーの導入

    ディープラーニング(深層学習)の登場、GPU処理能力の向上、大規模なデータ活用を支えるストレージ技術の進展などにより、医療分野における人工知能の実用化が進んでいます。しかし、これら新しいテクノロジーには、「どのようにして社会に受け入れてもらうか」という大きな壁があり、これらをクリアするためには、承認された製品を医療現場へ迅速にデリバリーすること、また、安定した運用を支える保守サービスが必要です。

  • ソフトウエアの薬機法対応

    ソフトウエアの薬機法対応

    2014年に旧薬事法が薬機法として改正され、それまで機器の⼀部として取り扱われていた治療、診断に関わる医療ソフトウエアが単体として規制対象となりました。これにより、ソフトウエア単体での医療市場参入が可能となり、新たなビジネスチャンスとして期待されていますが、医療機器として取り扱われるため、規制対応のための体制の整備や各種手続きを確実に行う必要があり、スタートアップや海外ベンダーにとって課題となっています。

  • ITインフラストラクチャの刷新

    ITインフラストラクチャの刷新

    従来、施設ごとの閉じられたシステムとしてオンプレミスで育まれてきた病院内のITインフラストラクチャ。クラウドコンピューティングの普及、そして迅速な展開、運用の簡素化、高い可用性、TCO削減など、そのベネフィットを最大限、享受できるようなITインフラストラクチャの新しい利用のアプローチに対して、ユーザビリティとセキュリティを、いかに両立させるかが議論されています。

  • 地域医療・福祉の格差解消

    地域医療・福祉の格差解消

    地域医療・福祉の格差解消への取り組みとしてデジタル活用が進んでいます。これまで医療機関の間では進んでいた患者情報の連携を、在宅医療・遠隔医療、福祉の領域にまで拡大し地域全体で包括的なサービスを提供するというビジョンが政府によって掲げられ、クラウドコンピューティングとスマートデバイスの普及、そしてAIの実用化がその動きを加速します。

医療機関のIT部門とソフトウエアベンダーの課題

JTPのサービス

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医療機器サポート

医療機器サポート

製品輸⼊時の受⼊検査、営業⽤デモ機の管理、導⼊・設置⽀援、サプライ品の管理、代替機の管理、ヘルプデスク、修理や点検をはじめとする保守サービス全般にわたり、医療機器の運⽤において必要なサービスをワンストップで提供します。
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薬機法対応

薬機法対応サービスパッケージ

JTPは行政が定める各種業許可を有しており、選任製造販売業として薬事申請を実施します。また、JTPは、医療機器の全国の販売代理店との長年に渡る取引実績があるため、海外メーカー向けには、販路開拓のサポートを提供しています。
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医用システム・ソフトウエア導入支援

医用システム・ソフトウエア導入支援

医用画像情報システムおよび部門診療システムから、これらシステムが稼働する院内全体のITインフラストラクチャやネットワークに関して導入前のコンサルテーションから設計・構築、導入後の保守運用までワンストップのサービスを提供しています。
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テクニカルラボセンタを拠点としたサービス

テクニカルラボセンターを拠点としたサービス

JTPは、医療機器品質マネジメントシステムの国際標準規格である、ISO13485の基準による東京テクニカルラボセンターを運営しており、医療機器サポート事業のサービス拠点となっています。技術チームの拠点でもあり、各種作業スペースやヘルプデスクが展開されており、各チームが密に連携することで質の高いサービスを提供しています。
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導入事例: エルピクセル株式会社

導入事例: エルピクセル株式会社

AIを活用した画像診断支援技術の研究開発の基盤となるデータベース構築で利用する「アノテーション作成システム」の病院内システム導入をサポート

エルピクセル株式会社(以下、エルピクセル)は、医療・製薬・農業などのライフサイエンス領域において、AI(人工知能)を活用した画像解析ソフトウエアを開発・提供している東京大学発のベンチャー企業です。エルピクセルは、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)が主導する「臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業」の一環である、画像診断ナショナルデータベース実現のための研究開発を行う国内7大学にアノテーション作成システムを導入。JTPは、このシステムの各大学への導入をサポート。長年にわたる医療機関向けのフィールドサービスの提供経験により、迅速な導入に貢献しました。今回は、事業開発本部 マネージャーの副田 義樹氏と高本 淳氏、研究開発本部 プロダクトマネジメントグループの川口 浩和氏に医療機関向けの製品導入と病院内でのフィールド業務の課題と、AI(人工知能)を活用した医療画像診断支援の今後についてお話を伺いました。

エルピクセル株式会社によるプレスリリースはこちら


副田 義樹 氏 エルピクセル株式会社 事業開発本部 マネージャー
副田 義樹 氏
エルピクセル株式会社
事業開発本部 マネージャー

高本 淳 氏 エルピクセル株式会社 事業開発本部 マネージャ
高本 淳 氏
エルピクセル株式会社
事業開発本部 マネージャー

川口 浩和 氏 エルピクセル株式会社 研究開発本部 プロダクトマネジメントグループ
川口 浩和 氏
エルピクセル株式会社
研究開発本部
プロダクトマネジメントグループ

エルピクセルでは、製品導入時のフィールドサービスを社内で兼務することが多かったそうですが、本プロジェクトでは、迅速な製品展開と社内リソース最適化のため、アウトソースすると判断をした、と言います。「限られた人数の会社として、どこに力を注ぐか考えた場合、今は医療におけるAIが爆発的に成長している段階ではないので、ユーザーを獲得するセールス・マーケティング活動に注力するべきという判断になり、病院内のフィールドサービスをJTP様にお願いすることにしました。」

高本氏は、病院への製品導入のポイントとして医療独自の文化に対する理解を挙げます。「看護師や患者様の動線、訪問する時間帯や搬入経路に配慮するなど病院独特の文化について理解があることは、お客様とのより良い関係を築く上で重要です。JTPには医療施設における医療機器、関連システムの設計、導入、保守経験が豊富なエンジニアが多く、安心して依頼することができました。」

他にも医療機関特有のシステム構成やネットワーク、製品やデータ規格についての知識が必要だと川口氏は言います。「例えば、医療用画像管理システム(PACS)や医用画像の国際規格(DICOM)について、よくご存知のSlerさんは多くはなく、これらについて知識を持ち合わせている前提で相談できることが重要でした。」

実際の導入では、JTPはハードウエアの調達から各大学への展開、機器のセットアップ、サーバーのラッキング、OSとアプリケーションのインストール、導通確認までを行いました。エルピクセルでは、アプリケーション実行環境がコンテナ化され、GitHubにて共有されていたことにより、導入中の機能追加への対応など、開発スピードに追従した迅速なシステム導入を可能としました。

エルピクセルでは、AIを活用した医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」の製品化が進んでいます。副田氏は、医療におけるAI活用の今後について、「社会実装」つまり社会に考え方を受け入れてもらい、利用しやすい環境を整えることが重要だと強調します。「私たちには、AIによって多くの患者さんを救いたい、医療でAIを使うという文化を定着させたいという思いがあります。そのためには、どのメーカーよりも早く市場に製品を投入し、実際に利用いただくことで多くのフィードバックをいただき、すぐに製品に反映するというサイクルを早期に繰り返す必要があります。これは、私たちのようなフットワークの軽いベンチャー企業の使命です。」

JTPは、未来の医療発展に寄与すべく、エルピクセルが目指す医療におけるAIの普及とそのための迅速な製品展開を、今後も支援していきます。

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この事例に記載された内容は2019年6月現在のものです。

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